銀行・信金8月の貸出平残は前年比+6.7%、中小向け伸び続く=日銀

Reuters

発行済 2020年09月08日 09:52

[東京 8日 ロイター] - 日銀が8日に発表した8月の貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残は前年比6.7%増となった。伸び率は7月の改定値同6.4%増を上回って統計の公表開始以来の最高を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大で事業環境が厳しさを増す中で、中小企業で資金ニーズが強い状況が続いている。

内訳では、都銀等の貸出平残が8.0%増と前月の改定値7.9%増から伸び率が拡大。地銀・第二地銀は5.5%増、信金は7.3%増でいずれも過去最高の伸び率となった。都銀等で取引の多い大企業で資金需要が落ち着く一方、地銀や信金の主な取引先である中小企業向けに実質無利子・無担保融資が伸びている。

貸出平残は銀行・信金計で573兆7897億円、地銀・第二地銀で265兆6444億円、信金で74兆4460億円でいずれも過去最高となった。

日銀の担当者は、中小企業向け融資について、実質無利子融資を中心に引き続き増加する可能性が高いものの、伸び率は鈍化すると見込む。設備資金需要やM&A資金への需要も実体経済の不確実性の高さから減速が懸念されると話している。ただ、新型コロナの感染拡大に伴う不確実性が大きく、振れが大きい状況が続くとしている。