英アストラゼネカ、治験近く再開なら年内にワクチンデータ確認

Reuters

発行済 2020年09月11日 02:14

[チューリヒ/フランクフルト 10日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカ (L:AZN)のパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)は10日、臨床試験(治験)を一時中断した新型コロナウイルスワクチンについて、近く治験を再開できれば、年内に免疫効果が得られるかデータが得られるとの予想を変えていないと述べた。

アストラゼネカは8日、オックスフォード大学と開発する新型ウイルスワクチンについて、被験者1人に説明できない疾患が生じたため、治験を世界的に中断したと発表した。報道によると、疾患が生じたのは英国の被験者で、横断性脊髄炎に関連する症状が見られた。

ソリオCEOはこの日のオンラインイベントで、症状が出た被験者の診断結果について、同社はまだ情報を得ていないとし、横断性脊髄炎を発症していたかについては、一段の検査が必要になると指摘。診断結果は独立安全委員会に提出され、その後に治験継続が可能かについて判明すると述べた。

その上で、ワクチン開発における治験の一時中断は「極めてよくあること」とし、新型ウイルスワクチン開発が他のワクチン開発と異なるのは全世界が注目しているところだと語った。

ソリオ氏によると、アストラゼネカの新型ウイルスワクチンの治験には最大6万人が登録。通常のワクチン治験と並ぶ規模で、希少な副作用を検知するに充分な規模としている。