米、TikTokなど20日から提供禁止 トランプ氏「急展開も」

Reuters

発行済 2020年09月18日 23:00

更新済 2020年09月19日 06:27

[ワシントン 18日 ロイター] - 米商務省は18日、国家安全保障上の懸念を理由に、中国発の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」と対話アプリ「微信(ウィーチャット)」の米国内での新規ダウンロードを20日から禁止すると発表した。

アップル (O:AAPL)やグーグルなど、米国内のアプリストアでの提供を禁止する。既存のユーザーにアプリの削除や利用停止を求めないものの、アップデートなどをできなくなし、アプリの機能向上阻止を目指す。

商務省は「このようなアプリへのアクセスを排除し、機能性を大幅に縮小することによって米国内のユーザーを保護する」とした。

ロス商務長官は声明で「中国による悪質な米国民の個人データ収集に対抗する措置を講じた」と述べた。

しかし、今回の禁止措置は新規のダウンロードや更新にとどまるなど、予想ほど大掛かりにはならなかった。また、20日の施行前にトランプ米大統領が取り消す可能性もあるという。

トランプ大統領はこの日、記者団に対し、TikTokの案件を支持するか明言しなかったものの、取引が「急速に進む可能性もある」と指摘。「われわれには素晴らしい選択肢がいくつもあり、多くの人々を満足させることができるかもしれない。中国からの完全なセキュリティーを確保する必要がある」と述べた。また、決定を遅らせる必要はなく、すぐに検討するとした。

とりわけTikTokについては、親会社の中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)によるTikTok米事業を巡る協議に時間を与えるため、11月12日まではアプリの提供と更新以外にTikTokの機能に影響する技術面での禁止措置は講じられない。ロス長官はFOXビジネス・ネットワークに対し、「11月12日までTikTokの基盤に影響はない」と語った。

バイトダンスは米ソフトウエア大手オラクル (N:ORCL)などと新会社「TikTokグローバル」の設立に向け協議中。オラクルの株価は序盤の取引で1%弱下落した。

TikTokは声明で、商務省の決定に「失望」を表明し、適正な手続きを踏まず、米国民や米国の中小企業に影響の及ぶ「不当な行政命令に対抗していく」とした。

一方、ウィーチャットに対しては20日から、同アプリを通じた米国内での送金や決済サービスなどを禁止する。しかし、米企業による国外での取引には適用されない。米ウォルマート (N:WMT)やスターバックス (O:SBUX)は中国で、ウィーチャットの機能を利用している。

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また、ウィーチャットを運営する中国の騰訊控股(テンセント)テンセント (HK:0700)の他の事業への影響はない。