空売り投資家、ワクチン期待受けた旅行関連株の反発で多額の損失

Reuters

発行済 2020年11月11日 10:30

[ロンドン/ニューヨーク 10日 ロイター] - 9日の欧米株式市場では、新型コロナウイルスワクチンのニュースがきっかけとなり、これまでコロナ行動規制の影響を受けてきた旅行・レジャー関連株や銀行株の買い戻しが進み、これらの銘柄に空売りを入れていた投資家は多額の損失を出した。

米製薬大手ファイザーとドイツ製薬ベンチャーのビオンテックは9日、新型コロナウイルスの予防ワクチンの臨床試験(治験)で有効性が9割に達したと公表した。

ORTEXアナリティクスのデータによると、欧州の旅行・レジャー関連企業に空売りを入れていた投資家は、9日のポジションに基づくと2億8400万ドルの損失を出した。欧州の銀行株をショートにしていた投資家の損失は2億3300万ドルに達した。

また、米国市場では、カーニバル (N:CCL)、エクスペディア (O:EXPE)、アメリカン航空グループ (N:AAL)などのわずか7つの旅行関連銘柄だけで、ショートにしていた投資家の損失は23億5000万ドルに膨らんだ。 業界全体の空売りによる損失はこれをはるかに上回っている可能性が高い。

欧州の旅行・レジャー関連株 (SXTP)は月初から12%上昇、銀行株 (SX7P)も10日に5カ月ぶり高値を記録した。