米PNC、BBVAの米銀行部門を116億ドルで買収

Reuters

発行済 2020年11月16日 13:55

更新済 2020年11月16日 17:00

[15日 ロイター] - 米金融大手PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ (N:PNC)は、スペインの銀行大手BBVA (MC:BBVA)の米国事業を●現金116億ドルで買収することを明らかにした。

米銀行業界では2008年の金融危機以降で2番目の大型買収となり、業界の統合が一段と進むことになる。買収で誕生する新銀行は総資産が5600億ドル近くに達し、24州で事業を展開することになる。

関係筋によると、PNCとBBVAは過去数週間、協議を進めてきた。次期大統領に民主党のバイデン前副大統領が就任し、共和党が上院で多数派を維持すれば、規制環境は変わらないと判断した。

●PNCによると、両行の取締役会はすでに買収を承認している。買収により、2022年の利益が約21%押し上げられる見通し。

PNCは約半年前に米資産運用大手ブラックロック (N:BLK)の株式22.4%を142億ドルで売却。税引き後の売却益43億ドルを今回の買収に充てる。

BBVAは2007年に米地銀コンパス・バンクシェアーズを96億ドルで買収し、米国部門としたが、関係筋によると、業績の低迷が株価の重しとなっていることを受けて、米国事業の売却を決めた。株価は年初から36%値下がりしている。●ブローカー部門など一部の米国事業は維持する。

●買収は2021年半ばに完了する予定。

米国では、金融危機後に総資産500億ドルを超える大手行に対する規制が強化され、合併・買収(M&A)活動が低迷していたが、トランプ政権が法人税減税や規制緩和を進めたこと受けて、銀行の資金余力が高まり、地銀の合併が認められるケースが増え始めた。