中国企業、米上場廃止に直面も 下院でも監査法案可決

Reuters

発行済 2020年12月03日 07:34

更新済 2020年12月03日 09:54

[ワシントン 2日 ロイター] - 米下院は2日、米国の監査基準を順守しない中国企業の米上場を廃止できる法案を全会一致で可決した。

同法案は今年すでに上院で可決されており、トランプ大統領の署名を経て成立する見通し。

ホワイトハウスは、トランプ大統領は署名する見通しだと表明した。

同法案の下、3年連続で米公開会社会計監視委員会(PCAOB)の監査基準を順守できなければ、米国内の証券取引所での上場が禁じられる。

国を問わず適用されるが、米国に既に上場している中国企業のアリババ、ピンドゥオドゥオ、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)などを念頭に置いている。

米国で上場している中国企業は米国の監査基準に3年以内に従わなければ上場廃止となる。

上場企業は外国政府によって所有または支配されているかどうか開示することも義務付けられる。

法案を起草した民主党のクリス・バンホーレン上院議員は声明で、米投資家は「他の上場企業と同じ基準を保っていない一見合法的な中国企業に投資し、だまされてきた」と指摘した。

共同起草者である共和党のジョン・ケネディ上院議員は、中国が米取引所を利用して米国民を「搾取」していると主張。「有害な現状を拒否するため下院は上院に加わった」と述べた。

米国証券協会(ASA)は「中国共産党に支配された不正な企業」から米国民を守るために必要な措置だとして法案可決を歓迎した。

ワシントンの中国大使館はコメントの要請に応じていない。採決に先立ち、中国外務省の華春瑩報道官は同法案について、中国企業を政治的に抑圧する差別的な政策だと非難。

「米国が何層もの障壁を設ける代わりに、外国企業が米国で投資、運営できる公正で非差別的な環境を提供することを期待する」と述べた。