米エアビー上場、初値は公開価格の2倍超 企業価値1000億ドル超え

Reuters

発行済 2020年12月11日 05:05

更新済 2020年12月11日 07:54

[10日 ロイター] - 民泊仲介大手の米エアビーアンドビーが10日、ナスダック市場に上場した。初値は新規株式公開(IPO)時の公募・売り出し価格(68ドル)の2倍以上となる146ドルで、米国内で今年最大規模のIPOを飾った。

株価はその後、一時142.6%高の165ドルまで急騰し、144.7ドルで引けた。

初値ベースの時価総額は865億ドルと、オンライン旅行予約サイト運営のブッキング・ホールディングスとホテルチェーン大手マリオット・インターナショナルの時価を上回った。

オプションや制限付き株式などを含めると、完全希薄化後の評価額は1007億ドルに達した。新型コロナウイルス感染拡大初期の4月に資金調達ラウンドを行った際の評価額(180億ドル)の5倍以上となった。コロナ前に最後に私募形式の資金調達を行ったのは2017年で、評価額は310億ドルだった。

同社は新型コロナウイルス感染拡大による移動制限の影響で予約が大きく落ち込むなどの影響を受けていたが、制限緩和に伴いホテルよりも民泊を選ぶ旅行者が増えたほか、大都市から離れた地方で家を賃貸する人が増えたため、業績は回復。IPOは同社の急速な回復を示す格好となった。

ブライアン・チェスキー最高経営責任者(CEO)はロイターのインタビューに応じ「夏の時点では、年内のエアビーのIPOを予想していた人はそれほど多くなかったはずだ」と指摘。

「当社は株式公開を予定していたが、保留にした。これまで想像を超える軌跡をたどってきた。ホスト(家や部屋を宿泊場所として提供する人)が見事に元に戻ったし、旅行もそうなると期待する」と述べた。