日経平均は大幅続伸、714円高 30年ぶりの高値水準

Reuters

発行済 2020年12月29日 16:13

更新済 2020年12月29日 17:46

[東京 29日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅続伸した。1991年4月以来の2万7000円を回復した後も勢いは止まらず、1990年8月以来、約30年4カ月ぶりの高値水準まで上昇した。TOPIXも12月14日に付けた年初来高値(1804.84)を更新し、2018年10月3日以来の水準となった。

28日の米国株式市場は続伸し、主要3指数が最高値を更新して取引を終えた。新型コロナウイルス追加経済対策法案がトランプ大統領の署名を受けて成立したことで、景気回復への期待が高まった。この署名により、失業給付の特例措置が再導入され、連邦政府機関の一部閉鎖も回避されることになった。

日本株は朝方から買い優勢の展開。主力株を中心に幅広く物色され、日経平均は一日を通して上値を追う展開となり、前営業日比748円49銭高の2万7602円52銭で高値を付けた。受け渡しベースではきょうから実質新年相場が始まり、これまで上値を抑える要因となっていた節税を意識した損益通算売りが一巡し、需給要因が改善したことも追い風となった。

TOPIXは5日続伸し1.74%高。東証1部の売買代金は2兆2042億0800万円。東証33業種では、鉱業、ゴム製品以外の31業種が値上がり。空運業、サービス業、陸運業、医薬品などが値上がり率上位となった。

個別では、指数寄与度が大きいファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンなどの主力銘柄が総じて堅調。半面、任天堂は小幅安となった。

岡三オンライン証券のチーフストラテジスト、伊藤嘉洋氏はTOPIXがいまだにバブル後最高値に届いていないことを指摘。「一部の値がさ株が先導して上昇し、体感的には相場が上昇していない──といったバブル末期の状況に似始めた。そうなった場合には反動安が大きくなることから、コロナに終息の気配が見え始めた時に超金融緩和策が継続していた場合、いびつな相場構造になることを警戒する必要があるだろう」との見方を示した。

東証1部の騰落数は、値上がり1814銘柄に対し、値下がりが316銘柄、変わらずが46銘柄だった。

日経平均

終値      27568.15 +714.12

寄り付き    26936.38

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安値/高値   26921.14─27602.52

TOPIX

終値       1819.18 +31.14

寄り付き     1793.83

安値/高値    1792.83─1819.46