S&P横ばい、ヘッジファンド懸念で銀行株に売り

Reuters

発行済 2021年03月30日 06:14

更新済 2021年03月30日 07:27

[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米国株式市場は、S&P総合500種がほぼ横ばいで終了した。米ヘッジファンドのアーケゴス・キャピタル・マネジメントがマージンコールに対しデフォルトを起こしたことを受け、銀行株が売られたものの、米経済に対する楽観的な見方が出ていることで影響は限定された。

ダウ工業株30種は上昇。航空機大手ボーイングが2.3%値上がりした。同社は、サウスウエスト航空から旅客機「737MAX─7」100機を受注したと発表した。

クレディ・スイス(CS)は29日、米拠点のヘッジファンドがマージンコールに応じなかったことを受けて、このファンドのポジション解消を進めており、第1・四半期の業績に影響が及ぶ可能性があると明らかにした。

野村ホールディングスも、米国子会社と取引先との間で多額の損害が発生する可能性を公表した。

関係筋は両社の発表がアーケゴスに関連していると指摘しており、銀行業界への影響が懸念されている。

この日は大手行だけでなく地銀の株も売られた。KBW銀行株指数は2.3%安で終了。一時は3.5%近く値下がりした。

プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「米銀に影響があるのか、またあるとすればどの銀行が影響を受けるかが懸念されている。ただこれまでのところ、市場は基本的に(ニュースを)冷静に受け止めている」と話した。

主要株価3指数はいずれも、日中安値から反発して引けた。クロスビー氏は、新型コロナウイルスワクチン接種の広がりや大規模な景気刺激策を巡る楽観ムードや明るい企業決算見通しが、底堅い展開につながっていると指摘した。

メディア大手のディスカバリーやバイアコムCBS、米上場の中国インターネット企業バイドゥ(百度)、唯品会(ビショップ・ホールディングス)は、アーケゴスに絡み軒並み下落した。

ナスダック総合は月間ベースで5カ月ぶりに下落する見通しだ。

米取引所の合算出来高は110億2000万株。直近20営業日の平均は136億株。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.93対1の比率で上回った。ナスダックでは3.12対1で値下がり銘柄数が多かった。

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終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 33171.37 +98.49 +0.30 33087.55 33259.00 32905.13

前営業日終値 33072.88

ナスダック総合 13059.65 -79.08 -0.60 13103.97 13143.41 12968.16

前営業日終値 13138.73

S&P総合500種 3971.09 -3.45 -0.09 3969.31 3981.83 3943.25

前営業日終値 3974.54

ダウ輸送株20種 14527.41 -78.38 -0.54

ダウ公共株15種 882.21 +8.66 +0.99

フィラデルフィア半導体 3054.63 -51.65 -1.66

VIX指数 20.74 +1.88 +9.97

S&P一般消費財 1320.01 -5.33 -0.40

S&P素材 498.88 -1.67 -0.33

S&P工業 831.57 +0.07 +0.01

S&P主要消費財 710.88 +7.28 +1.03

S&P金融 566.80 -5.30 -0.93

S&P不動産 249.43 -0.44 -0.17

S&Pエネルギー 376.37 -4.81 -1.26

S&Pヘルスケア 1370.87 +5.42 +0.40

S&P通信サービス 238.61 +2.42 +1.02

S&P情報技術 2318.63 -11.92 -0.51

S&P公益事業 326.18 +3.45 +1.07

NYSE出来高 10.96億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 29360 + 280 大阪比