水素による脱炭素、50年までに15兆ドルの投資必要=英民間調査

Reuters

発行済 2021年04月27日 16:35

[ロンドン 27日 ロイター] - 英シンクタンクのエナジー・トランジションズ・コミッション(ETC)は27日付リポートで、世界的にエネルギー業界などが水素を利用して脱炭素を進めるには、今から2050年までに約15兆ドルの投資が必要になるとの見通しを示した。

ETCは、50年までの排出量実質ゼロ化を掲げるパリ協定の目標達成を約束する世界のエネルギー業界幹部らでつくる組織。

水素生産に再生可能エネルギーを利用する「グリーン水素」の自動車や発電所向け利用は多くの政府が支持しているが、現在は高い価格が普及のネックになっている。推進派は、インフラ投資や、輸送や天然ガス施設など産業界からの需要拡大によってコストは下がると主張している。

リポートは、50年までの目標達成にはすべてのセクターでグリーン電力が鍵になると指摘。特に水素が、鉄鋼業界や輸送業界などの脱炭素に重要な役割を担うとした。