日経平均2万8000円割れ:識者はこうみる

Reuters

発行済 2021年06月21日 11:23

[東京 21日 ロイター] - 21日の日経平均は前営業日比1000円超下落し、2万8000円を割り込んだ。米連邦準備理事会(FRB)の姿勢がタカ派に転じ、金融相場の転換点と意識された。

市場関係者の見方は以下のとおり。

●米利上げ時期に焦点移る、5月安値が下値めど

<みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト 三浦豊氏>

リバウンドを見込んだ短期筋が朝方に買い向かい、その後の戻りが鈍かったために投げさせられ、予想以上の下げ幅になった。根本にあるのは、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でタカ派に転じ、金融相場の転換点と意識されたことで、株式やコモディティーなどリスク資産を手じまう動きにある。日本株は好材料がありながらも、下げのきっかけが米国株式の下落のため、反転のきっかけは米株が落ち着き、さらには、売られ過ぎの示唆などテクニカル要因となるだろう。

当面の下値の目安としては、前回の5月の急落場面で付けた2万7385円03銭や2万7100円台に位置する200日移動平均線などが挙げられる。これらを意識し、さらに下値を模索する展開になるとしても2万7500円あたりで下げ止まるだろう。

直近の戻りでは2万9500円のトライに失敗し、それによって上値がさらに重くなった印象になり、戻りの目安が切り下がる可能性が高い。チャートは右肩下がりの波動から抜け出せず、しばらくは2万7000円─2万9500円のレンジで推移するのではないか。

●金融相場の転換点と意識、下値目安は2万7500円

<三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩氏>

ハト派と目された米セントルイス連銀ブラード総裁のタカ派発言で市場に動揺が広がっている。米連邦公開市場委員会(​FOMC)で来年の投票権を持つ同総裁が2022年終盤の利上げ開始を示唆したことで、市場はテーパリング(緩和縮小)どころか利上げのタイミングを意識せざるを得ない状況になった。