焦点:東芝株主総会、永山議長の再任は接戦 国内投資家が左右

Reuters

発行済 2021年06月23日 15:04

[東京 23日 ロイター] - 海外株主への圧力問題で揺れる25日の東芝定時株主総会は、永山治取締役会議長の取締役再任が焦点の1つとなる。事情に詳しい関係者2人は、現時点の票読みでは僅差での再任を予想。ただ、最後まで接戦となる可能性がある。議決権行使助言会社の反対推奨を受けて、海外の一部有力機関投資家が反対しているため、国内投資家の投票が行方を左右しそうだ。

<外国人株主の比率が低下>

昨年7月の株主総会で海外投資家に不当な圧力をかけていたとする外部の弁護士による調査報告を受け、東芝は13日に開いた臨時取締役会で当初の取締役選任議案を変更し、監査委員会の太田順司氏委員、山内卓委員を除外することを決めた。しかし、永山氏と監査委員会の小林伸行委員は選任議案に残り、2人の辞任を求める声は根強い。

特に海外投資家の反発は強く、東芝株7.2%を保有する第2位株主の3Dインベストメントは、永山氏らの即時辞任を要求している。投票記録によると、ノルウェー政府年金基金を運営するノルゲスバンクとフロリダ州公務員年金基金が、永山氏に反対票を投じた。

米国の議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)やグラスルイスは、永山氏らの取締役選任に引き続き反対を推奨している。

それでも関係者の1人は、現時点で「永山氏は僅差で否決されるよりも、僅差で再任される可能性が高い」と話す。頼みの綱は国内機関投資家だ。

中外製薬の最高経営責任者(CEO)やソニー(現ソニーグループ)の取締役会議長などを歴任した永山氏が東芝の社外取締役に就任したのは2020年7月。永山氏の再任に賛成する理由として、東芝に加わったのが海外株主への圧力問題が起きた後であることや、承認されなかった場合、「この混乱を収拾できる人がいなくなる」ことなどの声が出ている。

東芝が今年3月に開いた臨時株主総会は、昨年7月の株主総会の運営を巡って独立した調査を求めた筆頭株主エフィッシモ・キャピタル・マネジメントの提案が可決される異例の展開となった。議案は58%の賛同を獲得し、株主は東芝の企業統治に疑問符をつけた。

しかし、東芝の株主構成は変化している。東証1部に復帰した東芝株が東証株価指数(TOPIX)に組み入れられた2月下旬以降、国内インデックスファンドによる投資が増加。3月の臨時総会で投票できなかった彼らが、今は議決権を持つ。

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東芝の株主構成を見ると、海外投資家の割合は18年3月末の72.3%をピークに減少しており、21年4月末時点で50.4%となっている。

また、すべての海外株主が永山氏の再任に反対しているわけではない。米公的年金基金のカリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)は、永山氏の再任に賛成。関係者によると、東芝株5%超を保有する米資産運用大手ブラックロックも賛成票を投じた。

リフィニティブによると、このほかノルゲスバンクが1.3%、CalPERSが0.45%、フロリダ州公務員年金基金が0.04%の東芝株を保有している。

<取締役否決の難易度>