東芝総会、永山議長の再任否決 海外株主が反対票

Reuters

発行済 2021年06月25日 12:52

更新済 2021年06月25日 16:27

[東京 25日 ロイター] - 海外株主への圧力問題で揺れた25日の東芝株主総会は、焦点だった永山治取締役会議長の選任など、会社側議案が一部否決される異例の展開となった。

関係筋によると、永山氏の否決には多くの票が集まった。「注目度が高まったことで、海外株主の投票が増えたためではないか」という。

<東芝は取締役会後に対応発表へ>

取締役候補者11人中、賛成を得られなかったのは永山氏と、監査委員会の委員だった小林伸行氏。昨年7月の株主総会運営に関する外部弁護士の調査報告書を受けて、両氏に辞任を求める声が大株主から上がっていたが、永山氏が続投に意欲を示すなど、事前から対立姿勢が目立っていた。

総会終了後、第2位株主の3Dインベストメント・パートナーズは声明を発表。総会の決議は、透明性の確保や株主との信頼構築を推進する「極めて画期的なもの」だとして、「東芝再興を願う者として、新経営陣との建設的かつ継続的な対話を通じ、できる限り支援したい」と表明した。

東芝は議案の否決を「真摯(しんし)に受け止めている」とのコメントを公表。役員人事の詳細は総会後の取締役会で決議し、あらためて発表するとしている。

総会には27万人の株主のうち、183人が出席。17人が質問に立ち、2時間42分続いた。綱川智社長兼最高経営責任者(CEO)や社外取締役のポール・ブロフ氏、ワイズマン広田綾子氏、ジェリー・ブラック氏、レイモンド・ゼイジ氏ら9人は、会社提案通り承認された。