Reuters
発行済 2021年07月15日 10:03
[東京 15日 ロイター] - 7月のロイター企業調査によると、原材料価格の上昇を販売価格に「すでに転嫁」、もしくは「転嫁予定」と回答した企業が約6割となった。一方、「転嫁できない」と回答した企業も約4割となり、全体の3分の2の企業は資源価格高が今年度の業績を圧迫する要因になり得るとみている。原材料高を受けて値上げに踏み切る動きはでているが、販売価格への反映やコスト削減策が十分でなければ、業績の下押し圧力になる可能性がある。
調査期間は6月30日から7月9日まで。発送社数は503社、回答社数は240社程度だった。
新型コロナウイルスのワクチンの普及で世界経済の回復が進み、原材料コストに上昇圧力が掛かっている。日銀が公表した6月の国内企業物価指数は、2008年9月以来の高い伸びとなった前月の5.1%に続き、前年比プラス5.0%と高い水準を維持。また、代表的な国際商品の動きを表すCRB商品指数 は、7月初めに約6年ぶりの高値圏まで上昇した。
原材料価格の上昇を、自社の販売価格に転嫁できるかとの問いに対し、「すでに転嫁できている」との回答が15%、「いずれ転嫁予定」が46%となり、双方を合わせると6割強となった。一方、約4割の企業は「転嫁はできない」と回答した。
今年後半の主力商品・サービス価格については、「価格の据え置き」が半数強の52%となり、昨年同月調査の75%から低下した。「大幅な引き上げ」と「小幅な引き上げ」をすると回答した企業の合計は45%となり、昨年の8%から大幅に増えた。値下げを予定している企業は3%のみとなり、昨年同時期の17%から大きく低下した。
原材料価格の上昇が、今年度の業績を圧迫する要因になり得るとみている企業は67%と全体の3分の2を占め、そうでないと回答した企業の倍にのぼった。
値上げをめぐる動きとしては「販売価格(の引き上げ)は値上げ交渉して実施する。同時にコストダウン活動も実施しており、調達先の変更・複数購買などによる原材料値上げ対抗策も実施予定」(紙・パルプ)といった声や、「原材料価格は価格に転嫁することを基本方針にしている」(化学)などがあった。
一方で、「仕入原価の上昇分をすべて転嫁できていないので損益インパクトは発生する」 (運輸)など、価格転嫁は一部にとどまるという回答があった。同様のコメントは、化学製品や金属・機械など他の業種からも寄せられた。
また、「競合店との価格競争により転嫁が難しい」(小売)という回答もあり、値上げで消費者が他社の低価格品に流れてしまうことや、買い控えにつながることへの懸念を示すものもあった。
資源高による業績への影響は小さいとみている企業からは「影響はあるが軽微になると推測している」(精密機器)、「影響は無視できないが、客先への価格転嫁、調達方法の見直し等を進めていく。現時点においては、業績への影響は軽微と考える」 (窯業)などの回答があった。
(金子かおり グラフィック作成:照井裕子 編集:石田仁志)
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