米バークシャー、第2四半期は増収増益 自社株買い60億ドル

Reuters

発行済 2021年08月09日 12:39

[7日 ロイター] - 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが7日発表した第2・四半期決算は、利益と売上高がともに増加した。同社は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期の落ち込みから多くの事業が力強い回復を見せていると指摘した。

また、株価が最高値を更新する中でも第2・四半期に60億ドルの自社株買いを実施したことを明らかにし、自社の将来に対するバフェット氏の自信を示唆する格好となった。

バークシャーの製造業、サービス、小売り事業は昨年、経済活動の急減速や失業者増加、消費者の外出自粛による打撃を受けた。

同社は7日、傘下の鉄道大手BNSFや自動車ディーラー事業、住宅部門など多くの事業が、サプライチェーン(供給網)の問題やコスト上昇に直面しながらも「著しい」回復を遂げていると指摘。利益や売上高がコロナ禍前の水準を上回っている事業もあるとした。

第2・四半期の営業利益は66億9000万ドル(クラスA株1株当たり約4424ドル)で、前年同期の55億1000万ドル(同約3463ドル)から21%増加した。

純利益は前年比7%増の281億ドル(同1万8488ドル)。アップルやバンク・オブ・アメリカ、アメリカン・エキスプレスなどへの投資に絡む評価益が寄与した。

売上高は22%増の691億ドル。

エドワード・ジョーンズのアナリスト、ジム・シャナハン氏は「(決算は)経済全体の強さを反映してかなり好調だった」とし、2022年までの業績予想を上方修正した。

バークシャーは7月にも株式数がさらに減少したことから少なくとも17億ドルの自社株買いを実施したとみられ、19年末以降では総額約390億ドルを買い戻した。

株式市場のバリュエーションの高まりや特別買収目的会社(SPAC)の増加で企業買収のコストが上昇する中、バフェット氏は自社株買いを積極的に進めてきた。

一方、第2・四半期には差し引き11億ドル相当の株式を売却した。バリュエーションの高まりが影響した可能性がある。

自社株買いの実施にもかかわらず、株式売却なども影響して6月末時点の現金・同等物は1441億ドルとなった。

エドワード・ジョーンズのシャナハン氏は「バークシャーが市場での資金活用に苦慮しているのは明らかだ」とし、「株式のバリュエーションを踏まえると、資金の使い道として自社株買いを選好するだろう」と述べた。

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