米カーライル、日本のユニコーン企業Spiberに100億円出資へ

Reuters

発行済 2021年09月09日 00:54

[東京 8日 ロイター] - 米投資会社のカーライルは8日、日本で数少ないユニコーン(企業価値が10億ドル以上の未公開企業)であるバイオベンチャー、Spiberによる合計344億円の資金調達に参画し、100億円を投資すると発表した。豊富な資金を背景に日本でも上場前のスタートアップ企業への海外ファンドの投資が拡大している。

カーライルにとっては、株式の過半に満たないマイノリティーでの成長投資は今回が国内で初の案件となる。

Spiberは、カーライルのほか、米資産運用会社フィデリティや英ベイリー・ギフォードなどから資金調達する。調達後の株式評価額は約1350億円。

Spiberが開発した人工合成タンパク質素材は、植物由来のバイオマスを主な原料とし、石油由来の素材や毛皮などの代替として使用できる。

同社の共同創業者である関山和秀氏は6日、ロイターとのインタビューで今回の資金調達について、早ければ2023年に稼働を開始する米国工場の立ち上げや数年以内を目標とするIPO(新規株式公開)までに事業を運転していくための資金だと説明した。

未公開企業の資金調達は着実に伸びており、スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」によれば、日本のスタートアップ企業による資金調達額は、今年の1―6月に3000億円を超え、半期として過去最大となった。