トヨタ、米民主のEV税控除拡充案は「労働者差別」 テスラも反発

Reuters

発行済 2021年09月14日 06:23

更新済 2021年09月14日 10:27

[ワシントン 13日 ロイター] - トヨタ自動車は13日、米民主党が提案した電気自動車(EV)に対する税控除拡充案について、国内の約半数の自動車労働者を差別していると批判した。

提案は、米国内の労働組合を持つ工場で組み立てられたEVへの税額控除を大幅に引き上げる内容で、米自動車大手3社(ビッグスリー)には有利な措置となるが、組合に加盟しない日本メーカーなどには反対に不利になる。

トヨタは議会宛て書簡で「国の限られた資源を使って、高額な車やトラックを購入するような裕福な人々に法外な減税を行うことを拒否」するよう議員らに訴えた。

海外メーカーと米EV大手テスラは米国内の完成車工場の従業員が労組に加盟しておらず、その多くは、全米自動車労組(UAW)による労組結成の取り組みにも抵抗してきた。

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は12日、ツイッターへの投稿で、EV向け税優遇策はEVをメキシコで生産しているフォードとUAWのロビイストが策定したものだと批判。「米国の納税者にどれくらい役立つのかは不明だ」とした。

フォードはEV「マスタング・マッハE」をメキシコで生産しており、今回の税控除拡充策は適用されない。

フォードの広報担当者は同社はピックアップトラックのEV版「Fー150ライトニング」と電動商用バン「Eトランジット」を米国の工場で生産する計画で、さらに国内生産は増えると述べた。

UAWはマスク氏のツイートについてコメントせず、世界的に自動車労働者の大半が労組に加盟していると指摘。「米国の納税者のお金は国内製品に使われるべきで、米労働者は世界の他の自動車労働者と同じ発言権を認められるべきだ」と主張した。