自民・甘利氏、キオクシアとWDの合併排除せず「日米対等が条件」

Reuters

発行済 2021年09月17日 13:12

[東京 17日 ロイター] - 自民党で経済安全保障の議論を主導する甘利明衆議院議員は、キオクシアホールディングスと米ウエスタンデジタル(WD)の間で浮上している合併の可能性について、対等が条件と語り排除しない考えを示した。西側陣営内で半導体の「コントロールセンター」を分散させる必要性に言及し、その1つを日本が担うべきと語った。

自民党の半導体戦略推進議員連盟会長を務める甘利氏は16日、ロイターとのインタビューで、両社の合併を「否定しているわけではない」と説明。キオクシアが規模を拡大することのメリットに言及し、「規模が大きいほうが開発力はあるし、ユーザーニーズを把握しやすい」と述べた。

西側諸国の間で中国への技術流出懸念が高まる中、日本も安全保障上重要と位置付ける企業への外資規制を強化している。

NAND型フラッシュメモリー専業のキオクシアは新規株式公開(IPO)を計画する一方、関係者によると、WDとも合併に向け協議。両社が合併すると、NANDの市場シェア首位の韓国サムスン電子と肩を並べる。

甘利氏は、価値観を共有する西側陣営全体の中で半導体のサプライチェーン(供給網)を強化することが重要と強調。「コントロールセンター」が米国に集中するのは「かえって脆弱性になってしまう」と述べ、分散させる必要性に言及した。甘利氏は「少なくとも、西側に2、3カ所。その1つは日本でなければ米国にとっても良くない」と語った。

その中でキオクシアとWDについて、「日米において同等な拠点が存在することが最低限必要。とにかく、日本と米国が対等であるべし」と述べた。「日本の強みも含めて全部米国に吸収されてしまうと何の意味もない」とし、「みんな米国にもっていかれるというような形はあってはならない」と語った。