米国株式市場=急落、中国恒大巡る懸念で広範な売り

Reuters

発行済 2021年09月21日 05:34

更新済 2021年09月21日 10:10

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米国株式市場は急落。中国の不動産開発大手、中国恒大集団のデフォルトリスクが意識され、広範な銘柄に売りが出た。S&P総合500種とナスダック総合の下落率は5月以来、ダウ工業株30種は7月以来の大きさとなった。

ナスダックは取引時間中に3%超下げる場面もあり、約1カ月ぶりの安値を付けたが、引けにかけて下げ幅を縮小した。

マイクロソフトのほか、グーグルを傘下に持つアルファベット、アマゾン・ドット・コム、アップル、フェイスブック、テスラなどが大きく売られ、ナスダックやS&P500の重しになった。

S&P500の主要11セクターは軒並み下落し、エネルギーが3%安など、景気に敏感な部門で下げがきつかった。公益事業などディフェンシブセクターは比較的小幅な下落にとどまった。

恒大集団を巡る懸念が波及して米国債価格が上昇する中、銀行指数は2.9%安。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は上昇した。

S&P500は9月2日に付けた終値での最高値を約4%下回る水準となった。

今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えた警戒感も重しとなった。

米連邦準備理事会(FRB)は21─22日のFOMCでテーパリング(量的緩和の縮小)の地ならしをするとみられている。ただ、実際のテーパリング発表は11月か12月に先送りされるとの見方が大勢だ。

モルガン・スタンレーのストラテジストは、FRBの緩和縮小開始に伴いS&P500が10%調整すると予想。経済成長に停滞の兆しが出れば20%の調整もあり得るとの見方を示した。

この日の取引では、大半の航空会社が上昇した。米政府が空路で入国する外国人渡航者に11月初旬から新型コロナウイルスワクチンの接種完了を義務付けると発表。これに伴い、英国や欧州、中国、インドなどからの渡航が認められるようになる。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を5.40対1の比率で上回った。ナスダックでは4.66対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は122億4000万株。直近20営業日の平均は98億9000万株。

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終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 33970.47 -614.41 -1.78 34459.72 34459.72 33613.03

前営業日終値 34584.88

ナスダック総合 14713.90 -330.07 -2.19 14758.14 14841.82 14530.07

前営業日終値 15043.97

S&P総合500種 4357.73 -75.26 -1.70 4402.95 4402.95 4305.91

前営業日終値 4432.99

ダウ輸送株20種 14096.07 -171.89 -1.20

ダウ公共株15種 901.54 -2.26 -0.25

フィラデルフィア半導体 3338.23 -82.92 -2.42

VIX指数 25.71 +4.90 +23.55

S&P一般消費財 1434.90 -34.79 -2.37

S&P素材 498.86 -9.87 -1.94

S&P工業 836.47 -9.73 -1.15

S&P主要消費財 730.41 -7.75 -1.05

S&P金融 608.81 -13.83 -2.22

S&P不動産 289.97 -1.83 -0.63

S&Pエネルギー 358.00 -11.23 -3.04

S&Pヘルスケア 1530.65 -15.08 -0.98

S&P通信サービス 274.63 -5.19 -1.85

S&P情報技術 2676.94 -50.75 -1.86

S&P公益事業 334.42 -0.69 -0.21