日経平均は続落、米中不確実性見極めたいとの思惑で手仕舞い売り優勢

日経平均は続落。
21日の米国市場でのNYダウは50.63ドル安と4日続落。
中国恒大集団の経営問題への懸念がくすぶるなか、米連邦公開市場委員会（FOMC）結果公表を明日に控えた警戒感から、ダウは上昇して始まったが結局下落に転じた。
主力ハイテク株の一角には押し目買いが入りナスダック総合指数は3日ぶりに反発したが上げ幅は限定的だった。
戻りの鈍い米国市場の動きを受け、日経平均は94.98円安の29744.73円でスタート。
前日の急落後とあって自律反発狙いの買いから下げ渋る場面も見られたが、様子見ムードも強く、前場中頃には265.83円安の29573.88円まで下押しした。
その後、中国恒大集団が23日に期日到来の人民元建て債の利払いを実施すると伝わったことで急速に下げ幅を縮小し、一時は28.39円高の29868.10円と上昇に転じる場面もあった。
ただ、祝日を前にした利益確定売りも出て、前引けにかけては改めて下げ幅を3桁に拡げた。
中国恒大集団の行方や明日に控えるFOMC公表結果を見極めたいとの思惑から、後場は前引け水準でのもみ合いが続いた。


　大引けの日経平均は前日比200.31円安の29639.40円となった。
東証1部の売買高は12億0359万株、売買代金は2兆8901億円だった。
セクターでは卸売業、食料品、機械などが下落率上位に並んだ一方、海運業、不動産業、鉱業の3業種が上昇となった。
東証1部の値下がり銘柄は全体の84％、対して値上がり銘柄は13％となった。


　個別では、前日同様に資源関連株や中国での売上比率が高い銘柄を中心に売りが続き、三井物産 (T:8031)、丸紅 (T:8002)、伊藤忠 (T:8001)、日立建機 (T:6305)、ファナック (T:6954)、オークマ (T:6103)、ダイキン (T:6367)など、商社、建機、機械関連などの主力株で大きく下げた銘柄が多かった。
また、リスクオフの円買いによる対ドルでの円高進行を受けて日産自 (T:7201)やデンソー (T:6902)などの輸送用機器関連も売られた。
そのほか、レーザーテック (T:6920)や東エレク (T:8035)、アドバンテス (T:6857)などの半導体関連株、日本製鉄 (T:5401)、JFEHD (T:5411)などの鉄鋼株が軟調。
キーエンス (T:6861)、太陽誘電 (T:6976)、日本電産 (T:6594)、信越化学 (T:4063)、日立製 (T:6501)、富士通 (T:6702)などの主力株も総じて売りに押された。


　一方、日本郵船 (T:9101)や川崎汽船 (T:9107)などの大手海運は押し目買いから大幅に反発。
傘下の米地銀MUFGユニオンバンクの個人・中小企業部門を売却すると発表した三菱UFJ (T:8306)が買われたほか、任天堂 (T:7974)、ファーストリテ (T:9983)、第一三共 (T:4568)
などが大きく上昇した。
業績予想や配当予想を上方修正したアイホン (T:6718)、オーケストラ (T:6533)はそれぞれ急伸し、第1四半期（6-8月）が2桁増益となった日本オラクル
(T:4716)などと並んで値上がり率上位に入った。
増配やヤマダHD (T:9831)との業務提携を発表したアークランド (T:9842)、第1四半期2桁減益も会社計画を上回ったことであく抜け感が先行したツルハHD (T:3391)なども上昇。
そのほか、投資判断が引き上げられたギフト (T:9279)は大幅高、目標株価が引き上げられたＧｅｎｋｙＤｒｕｇＳｔｏｒｅｓ (T:9267)も堅調だった。