アングル:米IPO、来年も堅調予想 足元ボラ上昇の影響軽微

Reuters

発行済 2021年10月12日 00:57

[11日 ロイター] - 米国株式市場ではボラティリティーが数週間にわたり高まっているが、新規株式公開(IPO)への影響はさほど見られていない。市場関係者の間では、年末から来年にかけて堅調なIPOが見込まれている。

世界のIPO件数は9月末までに2000件以上に達し、調達総額は4210億ドルと過去最高となった。リフィニティブによると、調達額は前年同期の2倍以上という。

ディールロジックによると、米国では過去3週間に4件のIPOが取り下げまたは延期された。米債務上限問題を巡る不確実性や中国の不動産大手、中国恒大集団の経営危機、エネルギー価格の上昇などが株式市場の乱高下につながり、IPO価格の設定が難しくなっている。

ただ、IPOが7件取り消された欧州に比べ、米国のIPOは耐性がある。米議会が債務上限問題の先送りで先週合意したほか、中国不動産市場を巡る懸念も解消しつつあることから、IPO関係者は大半の企業がIPO計画を順調に進めていると話す。