日鉄が特許侵害でトヨタを提訴、電動車の製造販売差し止め申し立て

Reuters

発行済 2021年10月14日 15:26

更新済 2021年10月15日 02:00

[東京/ロンドン 14日 ロイター] - 日本製鉄は14日、トヨタ自動車と中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄を特許侵害で東京地裁に提訴したと発表した。両社にそれぞれ200億円の損害賠償を求めている。電動車に使われる「無方向性電磁鋼板」に関する日鉄の特許を侵害したとし、トヨタには同製品を使用した電動車の製造販売の差し止め仮処分も申し立てた。

日鉄は、それぞれと協議をしてきたが、問題の解決に至らなかったとしている。宝山鋼鉄については無方向性電磁鋼板の特許を侵害し、トヨタについては対象となる無方向性電磁鋼板を使用した電動車が特許を侵害していると判断した。自動車メーカーを特許侵害で提訴するのは初めて。

無方向性電磁鋼板はエネルギーロスの少ない省エネ商品で、ハイブリッド車や電気自動車などの電動車のモーターに使われている。日鉄は「カーボンニュートラルにとって大事なキーとなる技術。当社にとっても重要な技術」(広報センター)と位置付けている。市場シェアは、営業戦略にかかわるとしてコメントを控えた。