NYの視点:カナダ中銀が先導、主要中銀の政策設定へ、インフレへの懸念強める

Fisco

発行済 2021年10月28日 07:36

パンデミックが起因する世界のサプライチェーンの混乱が終息する様相が見られず主要各国の中銀がインフレへの懸念を強め始めている。


先進諸国の中で最も早く量的緩和(QE)縮小を開始したカナダ中銀は政策金利据え置きを決定したが、QEの終了を発表。
マクレム総裁は会合後の会見で、経済が完全な回復に近づいており、QEは必要ないとした。
回復が完了するまで、低金利を維持するとしながらも、サプライチェーンの混乱がインフレを押し上げることから、想定より利上げが早まる可能性を示唆。
市場が来年4回の利上げを織り込んでいることに関して、意図的にハト派色と強めたり、特に言及することはなかった。
利上げ条件達成を、2022年後半から、2022年の真ん中に前倒し。
逆に、利上げ観測を強めるような内容となった。
早くて、4月13日に予定されている会合での利上げの可能性もある。


インフレの上昇で豪州や英国でも早期利上げ観測が強まっている。
ただ、英中銀は来週開催される会合では利上げを見送る見通し。
また、特に原油価格動向で景気が左右されやすいカナダや豪州などでは、他国に比べ早い景気回復、インフレ過熱感も強いと考えられるため、早期の利上げ観測は理に適う。


今まで、利上げに言及するのさえ時期尚早としていた連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も高インフレが一過性との見方は維持しているものの、サプライチェーンの混乱が2022年まで続くとし、高インフレが想定以上に長引く可能性に言及。
インフレリスクは明らかに上方と示し、タカ派姿勢を強めつつある。


FRBは来週予定している連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入縮小を開始し、2022年半ばに終了。
一方で、労働市場の最大雇用達成には時間がかかると見ており、FRB高官の2022年の利上げ見通しは5分5分。
ただ、米金利市場では6月の利上げを7割織り込んだほか、2022年後の2回の利上げを織り込んだ。
ドルも底堅い展開が続くと同時に、他国も同様に緩和解消に動くため、上昇も限定的にとどまる可能性がある。
ただ、日銀や欧州中央銀行(ECB)は回復が遅れ、緩和縮小もまだ先になる可能性があるため、円やユーロに対してはドルの上昇が予想される。





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