午前の日経平均は続落、企業決算を嫌気 ファナック8%超安

Reuters

発行済 2021年10月28日 12:03

[東京 28日 ロイター] - 28日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比272円62銭安の2万8825円62銭と続落した。前日の米国株式市場で高値警戒感が高まる中、東京株式市場でも利益確定売りが優勢となった。個別では、前日に業績見通しの下方修正を発表した銘柄が総じて軟調となり、日経平均を押し下げる格好となった。

27日の米国株式市場は、ナスダック総合がほぼ変わらずで終了。好決算を手掛かりに上昇したマイクロソフトとグーグルの持ち株会社アルファベットが下支えとなった。一方、原油相場下落と米債利回り低下がシクリカル(景気循環)銘柄を圧迫し、S&P総合500種は下落。ダウ工業株30種平均も4営業日ぶりに反落した。

市場では「国内では下方修正を発表する企業が相次いでおり、改めて半導体不足や資源高が与える影響が警戒されている。企業決算を材料視した売りは当面続くのではないか」(国内証券)との指摘もある。

TOPIXは0.69%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆5959億7900万円だった。東証33業種では、鉱業、石油・石炭製品、鉄鋼、保険業、電気・ガス業などの27業種が値下がり。空運業、化学工業などの5業種は値上がりした。

個別では、ファナックが3日続落し8%超安。1銘柄で日経平均を約71円押し下げた。27日に下方修正を発表した通期業績見通しが、市場コンセンサスを下回ったことなどが嫌気された。

そのほか、富士通も大幅反落。通期業績予想は据え置いたものの、市場予想を下回ったことなどが嫌気された。下方修正を発表した日立製作所も反落。

一方、上方修正を発表した日本航空電子工業、SCREENホールディングスはしっかり。東証1部の値上がり率上位を占めた。東京エレクトロン、アドバンテスト、信越化学工業などの半導体製造関連も堅調だった。

東証1部の騰落数は、値上がりが734銘柄、値下がりが1330銘柄、変わらずが115銘柄だった。