ソニーGなど好決算でも懸念払しょくには至らず

Fisco

発行済 2021年10月29日 12:26

[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;28792.53;-27.56TOPIX;1955.46;-4.20


[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は一時300円超下落したが、結局小安い水準で前場を折り返した。
日足チャートを見ると、28500円台に位置する75日移動平均線を一時下回ったものの、長めの下ひげを付ける格好。
企業の決算発表や31日の衆院選投開票が注目されて話題に上がっていなかったが、月末の株安アノマリーを改めて意識する市場関係者もいるようだ。
売買代金上位は個別の決算対応が中心。
業種別騰落率では、NY原油先物相場が底堅かったことから、関連セクターが値上がり上位に顔を出している。
ここまでの東証1部売買代金は1兆5000億円強と前日並みの水準。
決算発表の本格化でまずまず取引活発となってきた。


 新興市場ではマザーズ指数が-0.76%と反落。
制限値幅拡大のINC (T:7078)が大幅高となるなど、引き続き短期の値幅取りを狙った物色は散見される。
ただ、本日決算発表を控えたメルカリ (T:4385)は軟調。
10月中旬まで強い値動きだっただけに、決算発表を前に利益確定売りが出やすいだろう。


 さて、米株は堅調な企業業績を背景に強い値動きが続き、歳出・歳入法案を巡っても法人・富裕層増税に対する懸念が和らいだようだ。
しかし、今晩の取引ではアップルやアマゾンを中心に反落が見込まれ、東京市場でも米株高を素直に好感しづらいところではある。
また、増税懸念が和らいだといえど、歳出案の規模は半減しており、株式市場は楽観ムードのなか「いいとこ取り」をしている印象はある。


 なお、「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は16.53(-0.45)に低下。
各国中央銀行のインフレ対応が意識されるなどして、期待インフレ率の指標である米10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.57%(-0.08pt)に低下したが、米10年物国債利回りはむしろ1.58%(+0.04pt)に上昇した。
名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利の低下がこれまで米株高を後押ししてきた面もあるため、名目金利上昇・BEI低下という前日の動きはやや気になるところだ。


 日本企業を巡ってはキヤノン (T:7751)、ファナックなど電機大手を中心に想定外の業績下方修正が相次いでいただけに、ソニーGなどの好決算には安心感がある。
ただ、アップルで主力のスマートフォン「iPhone」の売上高が市場予想を下回ったところを見ると、まだまだ供給制約による影響への懸念は拭いづらいだろう。
とりわけ日本では、足元の商品高や円安による交易条件の悪化を懸念する声が増えてきた。


 アジア市場では香港ハンセン指数が4日続落し、上海総合指数は小動きで推移。
日本では本日、400社近い企業が決算発表を予定しており、人気銘柄として注目されるレーザーテックのほか、JT (T:2914)、第一三共 (T:4568)、村田製 (T:6981)、KDDI (T:9433)などがある(前場にはデンソー (T:6902)が決算発表)。
前述のとおり31日には衆院選の投開票日を迎え、後場の取引では企業業績や国内政治の動向を見極めたいとの思惑が強まりそうだ。

(小林大純)
アプリを入手する
Investing.comで、世界の金融市場の最新動向をチェックしましょう!
今すぐダウンロード

金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。 上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある場合は英語版が優先されます。

ログアウト
本当にログアウトしますか?
いいえあり
キャンセルあり
変更を保存