EU、資本市場同盟の構築へ改革案公表 価格テープや情報一本化

Reuters

発行済 2021年11月26日 08:25

[ロンドン 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)は25日、ロンドンやニューヨークに対抗する一体化した証券市場の構築に向け、この6年間で3回目となる改革案を公表した。

資本市場同盟(CMU)構築に向けたEUプロジェクトは、英国と同国の大規模な金融セクターがEUから離脱したことで打撃を受けた。

EUの執行機関である欧州委員会はこのプロジェクトを引き続き進めるため、株価や債券価格の記録である「テープ」を確立し、企業の無料情報を投資家に提供することを提案。また、長期投資ファンドに手を加えることやその規制手法をより良い形で調整する案も提示した。

欧州委は、企業が気候変動の目標を達成し、新型コロナウイルス流行に伴う財務上の打撃から回復するために資金調達を容易にしたいと考えている。また、ブレグジットにより、英国が金融面での競争相手にもなっている。

欧州委員会のマクギネス委員(金融サービス担当)は「独自の資本市場を発展させることが重要だ」と指摘。証券価格のテープと情報の一本化はCMUが実施された際に「決定的な瞬間」を生み出すだろうと述べた。

この提案の法制化には、欧州議会とEU加盟国の承認が必要となる。

ドイツ中道右派の欧州議会議員であるマルクス・ファーバー氏は、今回の提案はささやかな進歩ではあるが、課税ルールの変更などの大きな項目が省かれており、CMUプロジェクトの野心に合致していないと指摘した。