航空・自動車各社、オミクロン株の影響見極めに苦慮 判断下せず

Reuters

発行済 2021年11月30日 06:26

[29日 ロイター] - 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の打撃を受けた企業が新たな変異株「オミクロン」の影響見極めに苦戦している。オミクロン株に関する詳細が得られていないため、航空会社や自動車メーカーなどは事業や業績への影響に関する判断をまだ下せていない状況だ。

世界保健機関(WHO)は29日、オミクロン株について、世界的に広がる可能性が大きいとの認識を示した。一部地域で感染者が急増し「深刻な結果」をもたらす可能性があり、グローバルなリスクが「非常に高い」とした。

オミクロンの感染が世界各地に広がっていることを受け、27日に英国、ドイツ、イタリアなどで新たな感染者が確認されたのに続き、28日にはオランダ、デンマーク、オーストラリアでも報告され、渡航制限を導入する動きも広がっている。

こうした中、一部の航空会社は運航計画を大きく変更していないと発表した。ただ、業界関係者によると、大手航空会社はオミクロン株の感染拡大が渡航制限につながるとの懸念を背景にアフリカ南部からの旅客輸送を抑制しハブ空港を守っているという。

欧州格安航空大手ライアンエアのマイケル・オレアリー最高経営責任者(CEO)は、一部の国が飛行機での旅行を禁止する可能性があることを懸念しているものの、航空便をキャンセする理由はないと指摘。ドイツ航空大手ルフトハンザは航空券の十分な予約がなお見られるとした。