暗号資産の分散型金融、金融不安定化のリスク=BIS

Reuters

発行済 2021年12月06日 21:42

[ロンドン 6日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)は6日公表した四半期報告で、暗号資産の取引の仕組みである分散型金融(DeFi)の拡大は金融の安定を損ねる可能性があり、一段の防護措置が必要とされていると指摘した。

DeFiのプラットフォームを利用すると、銀行など当局の監督下にある伝統的な機関を介さず、通常、暗号資産やステーブルコインで貸借取引や貯蓄ができる。

BISは、DeFiが伝統的な金融業務の補完的役割を果たす可能性を持つものの、現段階で実体経済で利用されている事例は乏しく、主に異なる暗号資産の裁定取引や投機取引を支えていると指摘した。

マネーロンダリング(資金洗浄)規制の適用や顧客チェックが限定的なこと、取引の匿名性という特徴から、DeFiは違法行為や市場操作に使われる可能性があるとした。

さらに、仲介機関を失くすことでコストを削減できるというDeFiの主要なメリットもまだ実現していないようだとの見解を示した。