執筆：Dhirendra Tripathi
Investing.com -- 2022年2日目の取引日となった火曜日は、優良株が引き続き好調である一方、S&P 500種指数およびNasdaq構成銘柄の両方で、ハイテク株には下落圧力がかかった。
火曜日に発表された経済指標は、労働市場が引き締まりをみせるなかで、生産活動が減速していることを示唆した。
世界保健機関（WHO）はオミクロン株はこれまでの変異株と比較して、感染力は強いものの、重篤化リスクが低いことを示すとの研究結果が出ていると発表した。米国では月曜日に新規感染者数が100万人に達した。
銀行セクターが3.7%のプラス・リターンを記録するなど、市場全体を牽引し、ダウ工業株30種平均は上昇した。FRBはコロナ禍における景気対策として開始した資産購入プログラムを終了させ、利上げを行うと発表したことで、今年は金利先高感が出ており、年中に3回程度の利上げが予想されている。12月のFOMC会合の議事録は水曜日に公表される予定だ。
ロイターが報じたところによると、需要が落ち着いたことで米国の製造業は12月に減速したものの、サプライ・チェーンの停滞問題は解決に向かっていると投資家はみている。
経済指標や企業決算の発表は少ない週ではあるが、下記に明日の株式市場に影響を与えるかもしれない3つのトピックを紹介する。
1.航空株
オミクロン株に対する警戒感が和らいだことや第５世代（５Ｇ）移動通信ネットワークが航空機の電子機器に干渉する可能性があるとして、航空会社と通信事業者は対立していたが、両者間の緊張が弱まったことが好感されて火曜日に航空株は上昇した。
しかし、引き続きコロナ感染に伴う乗務員不足などを背景に米国では何千ものフライトが欠航している。コロナ感染や悪天候によるフライト・スケジュールへの悪影響には引き続き注意が必要だ。
2. 通信環境に関する対立
Verizon Communications Inc (NYSE:VZ)とAT&T Inc (NYSE:T)は、新規の5G サービスの提供開始に関して、米国当局や航空会社との間で友好的な和解がなされた。
当初は米運輸省からの指摘を無視していたものの、2社は1月19日まで新規の5Gサービスの提供を延期することに合意した。これにより航空規制当局は、5Gキャリアによる新しい周波数の使用における、空港での安全上の懸念に対処する時間が与えられた形だ。通信事業者は以前に合意したレベルを超えて、一部の空港の近くでのサービス展開を６カ月間停止する用意があると提案していた。
連邦航空局は、米国内の旅客便および貨物便の両方に支障をきたすような飛行制限を出す準備をしていたが、その必要性は、少なくとも一時的にはなくなった。
3. 苛烈化する電気自動車市場の競争
Ford Motor Company (NYSE:F)は新型ピックアップ・トラックであるF-150 Lightningの生産量を2倍近くに引き上げる計画であると発表した。
同社は高まる需要に応えるために、年間150,000台の生産を始めるとしている。
木曜日から、F-150 Lightningの予約者の第一陣を招待し、受注を開始する。予約者は、今後数ヶ月間、電子メールまたはフォード・アカウントにログインして招待状が来ていないか確認するよう求めている。2022年モデルの招待状を受け取れなかった人は、順次、将来モデルの注文ができる機会が与えられると同社は説明する。