再送DX投資で内需拡大、賃上げには温度差 国内の財界トップが会合

Reuters

発行済 2022年01月05日 18:56

更新済 2022年01月05日 21:27

(ANAホールディングスの賃金に関する表現を明確にしました)

[東京 5日 ロイター] - 日本経済団体連合会(経団連)の十倉雅和会長(住友化学会長)ら財界首脳は5日の新年祝賀会で、DX(デジタルトランスフォーメーション)や脱炭素社会への転換を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)投資を通じて、政府が掲げる3.2%の成長目標達成に貢献したいとの考えを示した。ただ、政府が求める賃上げには温度差がみられた。

十倉会長は祝賀会後の会見で、民需主導の景気回復を政府が描いたことを「ボールが(民間側に)きている」と表現。最近の企業の設備・研究開発投資やM&Aなどの多くは対海外だったが「GXは国内でやらないと意味がない。DXも大半がそう。日本経済にとって最大で最後のチャンスで、活性化のきっかけとなる年にしたい」と述べた。

<首相「攻めの賃上げ」直接要請、企業の反応まだら模様>

祝賀会であいさつした岸田文雄首相は、経済成長には賃上げが不可欠だとして「攻めの姿勢で賃上げに協力してほしい」と要請した。大和証券グループ本社の中田誠司社長は「業績がある程度上がっている企業は、それに見合った賃上げが責務」との考えを示した。同社は来年度、国内約1万3000人のグループ社員を対象に平均3%以上の賃上げを実施する方向で検討している。

ANAホールディングスの片野坂真哉社長も、コロナ禍で減額した賃金の回復を検討すると表明したが、伊藤忠商事の岡藤正広会長は「お金だけではない。いかに生産性を上げるか、効率のよい働き方を考えられるか」も重要だと述べた。