執筆:Dhirendra Tripathi
Investing.com -- 発表された12月のインフレ関連指標では、物価が過去40年間で最も上昇したことを示す展開となったにも関わらず、投資家からの反応は限定的で水曜日に株式市場は上昇した。
インフレの多くは既に市場に織り込み済みである。12月のインフレ・データは米連邦準備制度理事会(FRB)の予測とほぼ一致しており、これを考慮すれば、FRBは既に示唆された以上の積極的な金融政策の引き締めを実行することはないとみられる。
南アフリカにて初めて新たなコロナウイルスの変異株であるオミクロン株を発見し、その後、世界中で感染者が爆発的に増えたにもかかわらず、11月からインフレ率は緩やかながら落ち着いた。
労働省のデータによると、消費者物価指数は11月に0.8%上昇した後、12月は0.5%上昇した。
Spartan Capital Securities証券のチーフ・エコノミスト、Peter Cardillo氏はロイターに対し、「インフレ率の上昇は予想されていたことであり、これが市場を混乱させるとは思わない」と述べた。
NASDAQは0.4%上昇し、S&P500種指数とダウ工業株30種平均はそれぞれ3%と1%の上昇となった。
木曜日から決算シーズンが本格的にスタートし、金曜日には多くの大手銀行が決算発表を控えている。下記に明日の市場に影響を与える可能性のある3つの事柄を紹介する。
1. TSMC社の決算
Taiwan Semiconductor Manufacturing (NYSE:TSM)は、木曜日に第4四半期の企業決算を発表する。Investing.comに意見を寄せたアナリストによると、同社は売上高156億5000万ドル、1株当たり利益1.12ドルを報告すると予想されている。同アナリストは、昨年世界的な生産不足の原因となった半導体セクターの今後の見通しについて注目している。
2. Delta航空の決算
Delta Air Lines Inc (NYSE:DAL)の第4四半期の売上高は88億5000万ドル、1株当たり利益は11セントになるとみられている。同アナリストは、経済回復に水を差したコロナ感染者の急増の中で、旅客航空会社の今後の見通しについて注目することになるだろう。足元数週間は天候の影響もあり、一部のフライトが欠航している。
3. 卸売物価指数
12月の卸売物価指数の上昇率は前月比0.4%増と予想される。同アナリストによると、11月は0.8%上昇した。尚、同データはアメリカ東部時間午前8時30分に発表される。
-Investing.comスタッフとReutersの情報を下に当記事を執筆。