米国株式市場=ダウ下落、銀行決算に失望

Reuters

発行済 2022年01月15日 07:25

[14日 ロイター] - 米国株式市場はダウ工業株30種が下落して取引を終えた。米大手銀行の第4・四半期決算が失望され、金融株が大きく下落した。

ナスダック総合とS&P総合500種は午後に上げに転じ、プラス圏で引けた。一方、一般消費財の下げが主要株価指数を圧迫。2021年12月の米小売売上高(季節調整済み)が前月比1.9%減少したことを受けた。

米金融大手JPモルガン・チェースが急落。4日発表した2021年第4・四半期決算は、トレーディング収入の落ち込みが響き、14%の減益となった。

ゴールドマン・サックス、アメリカン・エキスプレス、ホーム・デポなどの下げもダウを圧迫した。

米金融大手シティグループも下落。14日に発表した第4・四半期(12月31日まで)決算は利益が26%減少した。

ブラックロックも四半期収入が予想を下回り2.2%安となった。

銀行株指数は1.7%安。米利上げが銀行の収益を押し上げるとの期待感を背景に直近でS&Pをアウトパフォームしていた。

ウェドブッシュ証券の株式トレーディング担当マネジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は「(JPモルガンの)決算に対するハードルは非常に高かった。表面上は良かったが、中身はそうでもなかった」と指摘。今年予想される利上げサイクルの中で、決算シーズンに向けて「ロングポジションが非常に積み上がっていた」とした。

消費財銘柄の下げについては12月の小売売上高が「明らかに失望的」だっとした。

米ミシガン大学が14日発表した1月の消費者信頼感指数(速報値)は68.8と12月確報値の70.6から低下し、過去10年間で2番目の低水準となった。市場予想は70.0だった。

週間ではS&P500が0.3%、ダウが0.9%、ナスダックが0.3%それぞれ下落した。

この日はS&P11セクターのうち4セクターが上昇。エネルギーが上げを主導した。情報技術が0.89%、通信サービスが0.53%それぞれ上昇した。

ジェームズ氏は「ハイテク株には明らかにバーゲンハンティング的な買いが入っている」と述べた。

リフィニティブのデータによると、S&P500構成銘柄の第4・四半期決算は23.1%増益が見込まれている。

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こうした中、米金融大手ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)が上昇。14日に発表した第4・四半期決算は利益がアナリスト予想を上回った。

米国株式市場はキング牧師生誕日の祝日で週明け17日は休場となる。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.63対1の比率で上回った。ナスダックでは1.19対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は107億4000万株。直近20営業日の平均は103億4000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 35911.81 -201.81 -0.56 35996.4 35996. 35641.

3 43 49

前営業日終値 36113.62

ナスダック総合 14893.75 +86.94 +0.59 14708.0 14897. 14689.

2 68 43

前営業日終値 14806.81

S&P総合500種 4662.85 +3.82 +0.08 4637.99 4665.1 4614.7

3 5

前営業日終値 4659.03

ダウ輸送株20種 15904.96 -99.61 -0.62

ダウ公共株15種 953.07 -5.91 -0.62

フィラデルフィア半導体 3900.61 +88.77 +2.33

VIX指数 19.19 -1.12 -5.51

S&P一般消費財 1545.90 -6.96 -0.45

S&P素材 557.86 -4.70 -0.83

S&P工業 895.18 -5.15 -0.57

S&P主要消費財 804.27 +1.49 +0.19

S&P金融 679.12 -6.91 -1.01

S&P不動産 302.59 -3.61 -1.18

S&Pエネルギー 491.98 +11.74 +2.45

S&Pヘルスケア 1563.07 -2.64 -0.17

S&P通信サービス 261.66 +1.39 +0.53

S&P情報技術 2910.17 +25.57 +0.89

S&P公益事業 352.83 -2.31 -0.65