クレディ・スイス、第4四半期は最終赤字の公算 訴訟引当金計上

Reuters

発行済 2022年01月25日 15:45

更新済 2022年01月25日 17:45

[チューリヒ 25日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイスは25日、第4・四半期の純損益が赤字になる公算が大きいとの見通しを示した。約5億スイスフラン(5億4591万ドル)の訴訟引当金を計上するほか、トレーディングやウエルスマネジメント部門の業績が低迷した。

同社は、不動産売却益2億2500万フランを計上することで、訴訟引当金を一部相殺できると表明。すでに発表済みののれん代償却費16億フランを控除する前のベースで、第4・四半期の税引き前損益はほぼ収支トントンになるとしている。

訴訟引当金は、投資銀行部門の過去の訴訟の和解などに関連するもの。

クレディ・スイスは、米アルケゴス・キャピタル・マネジメントや英グリーンシル・キャピタルとの取引などを巡る一連の不祥事を過去のものとし、リスクマネジメントに関する自社のカルチャーを改革しようとしてきた。ただ、改革を主導することを期待されて就任した会長が今月突然辞任し、改革は道半ばとなっている。

昨年11月には、投資銀行部門を縮小する一方で、富裕層向けサービスに注力する方針を示している。

同社は、投資銀行部門が、取引ベースの収入低迷で悪影響を受けると表明。プライムサービス事業から実質的に撤退するなど、リスク選好を全般に弱めたこともあり、投資銀行部門の第4・四半期決算は、のれん代償却費計上前のベースで赤字になったという。

ウエルスマネジメント部門も取引の低迷で打撃を受ける見通し。新規の純資産は「小幅なマイナス」。ただ、資産運用事業の資金流入で十二分に補えるとしている。