アマゾン、第4四半期は利益倍増 米プライム会費引き上げへ

Reuters

発行済 2022年02月04日 07:49

更新済 2022年02月04日 10:54

[3日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コムが3日発表した2021年第4・四半期決算は、利益がほぼ倍増し、市場予想を上回った。また、輸送コストや賃金の拡大を相殺するため、米国のプライム年会費を17%引き上げると発表した。

引け後の時間外取引で、アマゾンの株価は一時17%急伸した。

年末商戦を含む第4・四半期の純利益は143億2000万ドル(1株当たり27.75ドル)と、前年同期の72億2000万ドル(同14.09ドル)から増加した。新興の電気自動車(EV)メーカー、リビアン・オートモーティブへの出資に絡む税引前利益118億ドルが含まれる。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でオンラインでの買い物が増える中、アマゾンは感染拡大などによる事業の混乱を抑えるため資金を投入。労働市場が逼迫する中で人手を確保しようと、契約時のボーナスなどを支給してきた。倉庫の在庫を確保するため物流費も膨らんでいる。

こうした状況を踏まえ、米国のプライム会費を年間で現在の119ドルから139ドルに、月間で12.99ドルから14.99ドルにそれぞれ引き上げる。新規会員への値上げは2月18日から適用する。米国以外のプライム会費の変更は発表していない。

米国での前回の年会費引き上げは4年前で、99ドルから119ドルに上昇。その前の値上げはさらに4年前だった。

ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は電話会見で、一部のプライム会員は退会が予想されるが、過去の経験では定着率の低下は大きくなかったと指摘。パンデミック下でプライム会員1人当たりの売上高は「著しく伸びた」とも述べた。

プライムの会員数は世界で2億人を超す。会費は第4・四半期だけで15%増の81億ドルに上った。

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オルサブスキー氏は、事業の混乱や生産性の低下、インフレ圧力などが響いて第4・四半期のコストは40億ドルを上回ったと述べた。労働力に関連した問題は今四半期に和らぐものの、引き続き課題になるとし、今年のインフラ設備投資についても増加するとの見通しを示した。

クラウド事業「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」は好調で、電子商取引事業の鈍化傾向を補った。ゲームやリモートワークによる需要拡大で売上高は178億ドルと40%増加。リフィニティブのまとめたアナリスト予想は173億ドル超だった。

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インサイダー・インテリジェンスのアナリスト、アンドリュー・リプスマン氏は「リビアンへの出資に絡む押し上げ分がなければ最終利益は圧迫されていただろうだが、AWSの成長加速が続いたことが支援要因になった」と述べた。