午後3時のドルは114円後半、米雇用統計を控え様子見 ユーロは3週間ぶりの高水準

Reuters

発行済 2022年02月04日 15:40

[東京 4日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(114.95/99円)からほぼ横ばいの114.92/94円で推移している。時間外取引の米長期金利の小幅な上昇のほか、クロス円で円売り圧力が強まり、ドルは114円後半で底堅く推移した。前日の欧州中央銀行(ECB)理事会のタカ派化を背景にユーロ/ドルは約3週間ぶりの高水準で推移している。

今晩発表の1月の米雇用統計を控えて様子見ムードも強まっている。三井住友銀チーフストラテジスト、宇野大介氏は、先日公表された1月のADP雇用報告で民間部門雇用者数が減少したことを踏まえると、「仮に雇用統計が弱い内容だったとしても市場の反応は限定的」と指摘。ただ足元ではユーロは買われやすい地合いにあり、「ユーロ買い/ドル売りとなりやすく、ドル円にも波及するが、そこまで大きなドル売りにはならない」との見方を示した。

欧州中央銀行(ECB)は3日の理事会で、主要政策金利を予想通り据え置いた。同時にインフレリスクが増大していることを認め、年内に利上げに動く可能性を排除せず、ハト派スタンスからの転換が鮮明となった。

クレディ・アグリコル銀行の外国為替部長、斎藤裕司氏は「ECBはサプライズだった。(年内の利上げについて)市場の織り込みが進んでいないことから、ユーロを買い戻さなければいけない市場参加者が多い」と指摘。今後もユーロの上昇余地はある一方で、来週以降はウクライナ情勢の緊迫化を背景とした地政学的リスクも意識されやすいという。

ポンド/円は156.25/29円付近。英中銀は3日、市場の予想通り利上げを発表したが、政策委員9人のうち4人は0.50%ポイントの利上げが適切としていたことが明らかとなった。国内政治問題も意識され、「ユーロの上昇の勢いと比較するとポンド買いの勢いはそれほど強まらなかった」(外為アナリスト)との声が聞かれた。

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