1stコーポ Research Memo(6):収益基盤を多様化し、中期経営計画「Innovation2021」達成へ

Fisco

発行済 2022年03月04日 15:16

更新済 2022年03月04日 15:30

■今後の展開

1. ウェルビーイングシティ構想と分譲マンション自社ブランド「CANVAS」の推進
ファーストコーポレーション (T:1430)が注力していく領域として最初に取り上げたいのが「ウェルビーイングシティ構想」である。
この構想に基づいた分譲マンション自社ブランド「CANVAS」を立ち上げ、現在、第1号案件のCANVAS南大沢を建設している最中だ。


「CANVAS」は人生100年時代に対応した、「住む」という目的だけにとどまらない、「豊かな暮らしを実現するための様々なサービスを提供し続けることで、持続的かつ多面的に満たされる暮らしを提供し、持続可能な社会の構築に貢献する」というコンセプトに基づいている。
こうした物件は従来、高齢者のみを対象にしたシニアマンションなどが中心だったが、「CANVAS」では全世代を対象にしている点が最大の特徴となっている。
コロナ禍の影響により、多様な働き方を実現したいと考える単身世帯、若い家族世帯など、様々なニーズが存在する現在において、外部の機関と連携しながらニーズを満たす多様なサービスを提供していく全世代型のマンションは、今後のマンション形態のメインストリームになる可能性が十分にあると弊社は考えている。


2. アクティブシニア向けマンション
将来的な成長を考えるうえで注目できるのが、健康な高齢者向けのマンション、いわゆるアクティブシニア向けのマンションだ。
高齢者向けのマンションというと、多くの業者が介護付きのサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)で展開しており、アクティブシニア向けを手掛ける業者は少ないが、同社はこの分野で先行している。


アクティブシニア向けは、そもそも通勤仕様ではないため、駅前立地でなくて良い。
さらに、温泉やジムなど付帯設備の建設で単価がアップできるなど、利益面でも期待できる案件だ。
東京都稲城市のプロジェクトも、アクティブシニア層を主要ターゲットとしたマンションとして共同事業で行った案件だ。


大型案件のなかには、デベロッパーと共同事業で行うケースもある。
これまでもいくつか実績があるものの、今後もデベロッパーと組む案件が多くなっていくものと見られる。
これらは収益の下支え効果をもたらしそうだ。


顧客となる取引先も増加した。
2020年5月期は31社だったのが、2021年5月期には三菱地所レジデンス(株)、野村不動産(株)が加わり33社に増加している。
このほか、具体的な取引先としては、(株)アーネストワン、東京建物 (T:8804)、中央日本土地建物(株)、日鉄興和不動産(株)、三井不動産レジデンシャル(株)、阪急阪神不動産(株)、 (株)中央住宅といった大手の著名デベロッパーが多く名を連ねている。
今後も取引先が拡大するとともに、ビジネスの幅も広がっていきそうだ。



再開発事業の開花によって収益は上昇基調に
3. 再開発事業
さらに同社は、再開発事業に注力している。
この分野では現在、JR前橋駅北口地区第一種市街地再開発事業に事業施行者として参画している。
ここでは、地上27階建の施設を建設するなど、同社にとって大きな案件だ。
2020年に着工し、当面の収益源として貢献する。
このプロジェクトで高層建築の実績を構築でき、今後のタワーマンションへの展開に強力な武器となることも見逃せない。
このプロジェクトについては、2024年3月の工事完了を見込んでいる。


さらに、再開発に関しては、横浜市緑区においても大規模事業に参画、デベロッパーとジョイントで計画を具現化していく。
そのほかにも、青森県弘前市でも既に用地を取得するとともに、準備組合に加盟するなど今後が楽しみな案件になりそうだ。
将来的にこれらの再開発ビジネスが次々に開花すれば、同社の収益は上昇基調を確実なものにすると思われる。



コロナ禍における新しい生活様式へも対応
4. コロナ禍への対応
コロナ禍による新しい生活様式は、マンション販売動向にも影響を及ぼしている。
マンション販売は、都心部の高価格帯物件と郊外のリーズナブルな物件の二極化が進んでいるが、昨今ではテレワーク化の推進によって、郊外の案件に住居ニーズが移りつつあるという。
それに合わせ、同社も郊外の案件に目を向けて実際に商談を進めており、今後も注力していく考えだ。


コロナ禍にあっても同社は、主力のマンション建設に加え、自社ブランドの分譲マンション事業、アクティブシニア向けマンション事業、再開発事業を新たな軸に事業の拡大と中期経営計画「Innovation2021」の実現を目指す構えだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)


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