Jトラスト Research Memo(6):営業収益は大幅増収予想、金融事業で安定的な収益・利益基盤を再構築

Fisco

発行済 2022年03月09日 15:06

■Jトラスト (T:8508)の今後の見通し

● 2022年12月期の業績見通し
同社グループは、コロナ禍により世界各国で経済環境が急変し、産業構造が大きく変動しているなかにあって、事業の収益性の今後の見通しについて、抜本的な見直しが求められているとの認識から、既存の事業ポートフォリオの価値や将来性を徹底的に見直し、株主価値の最大化を目指した事業展開を図ることを今後の主要な課題としている。
今後もさらなる経営基盤強化と持続的な成長を図るため、その実現に向けた取り組みを行う方針である。
その一環として、2022年1月に、同社を株式交換完全親会社、NBを株式交換完全子会社とする株式交換契約を締結した。
この株式交換により、NBの連結子会社であるSAMURAI TECHNOLOGY(株)、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行が同社の連結子会社となる予定だ。
また、同じく、HSホールディングス (T:8699)の子会社であるエイチ・エス証券の発行済株式のすべてを取得し子会社化するとともに、金融商品取引法に基づく金融商品取引業を開始することを決議し、HSホールディングスと株式譲渡契約を締結した。


以上から、2022年12月期の業績予想については、営業収益71,324百万円(前期比68.5%増)、営業利益4,823百万円(同8.3%減)、税引前利益4,683百万円(同20.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,430百万円(同27.3%増)を見込んでいる。
東南アジア金融事業においては、BJIで貸出金残高が伸びているほか、JTRBでも順調な推移が見込まれている。
また、日本金融事業で安定的な収益が見込まれることや、韓国及びモンゴル金融事業においてもJT親愛貯蓄銀行の子会社化により、安定的な収益基盤がより一層強化されることから、大幅な増収を見込んでいる。
また、営業利益については、2021年12月期は5,260百万円であったが、投資事業利益や一過性等の要因を除いた金融事業のベース利益(参考値)は12億円と試算されることから、ベース利益と比較した営業利益予想は前期比36億円増と大幅な増益予想となる。
なお、NBとの株式交換については、国際財務報告書基準(IFRS)第3号 企業結合により、取得法で会計処理を行う予定である。
これにより連結財務諸表上は、のれん(または負ののれん)が発生する見込みだが、これらの金額が現段階で確定していないため、業績予想には含めていない。
また、エイチ・エス証券の子会社化については、中長期的に収益貢献が見込まれ、同社グループの連結業績に相応の影響を与えると考えられるが、会計基準の違いから業績予想の見積りに精査が必要となるため、業績予想には含めていない。
さらに投資事業では、GL向け債権を全額引き当て済みであることから、今後も判決次第では債権回収が進み利益計上されることになる。
同社は、期初予想を保守的に発表する傾向があることから、2022年12月期についても期初予想を上回る可能性が高いと弊社では見ている。


セグメント別では、日本金融事業では引き続き信用保証業務及び債権回収業務に注力することで、2022年12月期は営業収益8,612百万円(前期比12.0%減)、営業利益3,570百万円(同22.2%減)と予想している。
減収減益予想ではあるが、引き続き安定した利益創出が継続する見込みである。
韓国及びモンゴル金融事業ではJT親愛貯蓄銀行がグループに戻り利益基盤が一層強化されることで、営業収益34,999百万円(同136.4%増)、営業利益6,352百万円(同98.0%増)と大幅な増収増益を見込んでいる。
東南アジア金融事業ではJTRBの貢献やBJIの収益改善などにより、営業収益は23,953百万円(同42.6%増)、営業損失は2,173百万円(前期は6,372百万円の損失)と損失幅の縮小を予定している。
投資事業は引き続きGLからの債権回収に注力し、営業収益288百万円(同55.0%減)、営業損失1,438百万円(前期は5,445百万円の利益)を見込んでおり、回収を実現できれば利益として計上される。
その他事業では日本ファンディング(株)において不動産事業が稼働することなどで、営業収益3,999百万円(同355.2%増)、営業利益58百万円(同86.5%減)を見込でいる。
ただし、各事業でも期初段階では慎重な計画を立てていることから、実績が上振れる可能性が高いと弊社では見ている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)


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