ポート Research Memo(7):積極投資の継続により、中期経営計画達成の蓋然性が高まる

Fisco

発行済 2022年03月10日 15:07

■中長期の成長戦略

2. 中期経営計画の進捗
ポート (T:7047)はこれまで積極的な投資による高い売上収益成長率を経て、利益のJカーブを実現した。
2021年3月期から2023年3月期は株主価値の最大化(長期的なフリー・キャッシュフロー最大化)に向けた「第2投資フェーズ」と位置付け、業績成長の加速を目指している。


同社のビジネスモデルはマッチングプラットフォームを軸としており、マッチング総数(会員数、顧客数及びそれぞれの総量)の増加が売上収益成長のキードライバーとなる。
マッチング最大化による高い売上収益成長を実現するために、同社では「コンテンツ投資(会員数拡大)」「アカウント投資(顧客数拡大)」「システム投資(マッチング数拡大)」の3種類への積極投資を行っている。
当四半期は第1四半期及び第2四半期と同規模の197百万円の投資を実行しており、引き続き投資を拡大する方針を掲げている。
なお、当四半期では、「PORT」ブランド確立に向け、新規の大規模投資を実行している。
今後の各領域のクロスセル推進に向けて、各領域のサービスを「PORT」としてブランド化するもので、中期経営計画最終年度である2023年3月期以降のさらなる成長に向け、追加投資を開始した。
第1弾として就職領域で「PORT」ブランドのサイトを制作し、検証を開始しており、状況を見てさらなる追加投資(ジャンル拡大や機能拡張)の実行を予定している。


(1) 就職領域
会員数50万人、顧客資産5,000社を突破することで、toC向けメディアナンバーワンを目指している。
そのための戦略としては、ユーザーが求めるコンテンツ拡充へ積極投資を実行することで独自サービスブランドの確立を目指すほか、顧客資産を全国に増やすことで通年型新卒求人契約数トップを目指す。
加えて、マッチングシステムへの積極投資により1to1マーケティングシステムを実装し、会員1人当たりアクション回数を増加させることで、就職活動のプラットフォームとしてのサービス価値を高めていく。


そのほか、2021年11月には、次世代のマッチングサービスとして、メタバース※を活用したマッチングDX事業の実証実験を開始した。
ワークスタイルが多様化する昨今、メタバースを1つの「働く場所」として活用する例が増えてきているが、働く場所の変化は採用活動の変化も促進すると考え、主要領域の1つである就職領域との親和性を検証する実証実験を開始した。
さらに12月には、AIソリューション事業を展開しているオプティメースと資本業務提携を締結し、AIを活用した面接診断サービスを共同開発することを発表した。
今後も就職関連イベント(就職相談イベントやバーチャル合同説明会)等のサービス開発について検討していくとしている。


※「meta」(超越、高次の)と「universe」(宇宙)を組み合わせた造語。
オンライン上でアバター等を使用して人々が活動できる仮想空間を意味する。



(2) リフォーム領域
同社ノウハウのチューニングとサービスラインナップの拡充により、流通総額(同社サービス経由での総工事金額)100億円を目指している。
そのための戦略としては、同社がこれまで培ってきた強み・ノウハウを注入し広告効果の改善やコンテンツ拡充などを進めることで、マッチング効率及び収益性を向上させるほか、全国規模の顧客基盤の獲得、サービス提供範囲の拡大を推進している。


(3) カードローン領域
アライアンス、マッチング投資で競合優位性を高め、業界最大手クラスを目指している。
そのための戦略としては、アライアンス戦略による市場シェアの拡大、システム投資によるマッチング効率改善を推進している。


(4) エネルギー領域
INEの子会社化については、同社のエネルギー領域の中核事業として事業拡大を進めていく方針だ。
短期的にはシナジーによるバリューアップを、中長期的には領域ナンバーワンへ向けての成長投資を推進する。
なお、短期戦略について具体的には、コンテンツ投資等の集客チャネル拡大、広告改善による収益効率向上、会員クロスセルによる収益機会拡大、法人向けSaaSによるARR最大化、組織拡大による成長スピードの加速がある。
また、長期戦略について具体的には、ユーザー向け省エネ・スマートホーム化等に寄与するプロダクトの開発、送配電・発電事業者のサプライチェーン支援、再エネ創出量増大に向けた発電事業等の自社プロダクトの開発を挙げている。


(5) 新規・その他領域
新領域への参入と革新的イノベーションの創出を目指している。
そのための戦略としては、ドアーズと同規模またはそれ以上のM&Aを複数実施するほか、新たなビジネスモデルの研究開発を続けていく。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)


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