オークファン Research Memo(3):2022年9月期第1四半期はGMVの拡大とともに「注力事業」は増収を確保

Fisco

発行済 2022年03月11日 15:23

■決算概要

1. 2022年9月期第1四半期決算の概要
オークファン (T:3674)の2022年9月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比43.2%減の1,682百万円、営業利益が同94.3%減の69百万円、経常利益が同94.4%減の68百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同96.3%減の33百万円と大幅な減収減益となったものの、想定通りの滑り出しである。
通期計画に対しても、売上高が32.4%、営業利益が69.4%と順調に進捗している。


大幅な減収となったのは、前年同期に大量の株式売却を行った「インキュベーション事業」の反動減によるところが大きい。
また、「撤退事業」の縮小により、「在庫価値ソリューション事業」及び「商品流通プラットフォーム事業」も減収となったものの、「注力事業」だけで括り直すと前年同期比20.9%増の1,037百万円と増収を確保している。
また、重視するGMVについても、先行投資が奏功し、同16.8%増の2,583百万円と順調に伸ばすことができた。


利益面でも、「インキュベーション事業」における株式売却益の減少に加え、「注力事業」への先行投資により大幅な減益となった。
特に、「注力事業」は営業損失からのスタートとなったが、今後はGMVの拡大とともに、損益も段階的に改善していく見通しである。


財務面では、営業投資有価証券の減少※等により、総資産は前期末比10.4%減の7,607百万円に縮小した一方、自己資本も「その他有価証券評価差額金」の減少により同9.4%減の4,937百万円に縮小し、その結果、自己資本比率は64.9%(前期末は64.2%)に若干上昇した。


※保有するサイバーセキュリティクラウド (T:4493)株式の一部売却などによるもの。



2. 「注力事業」の進捗と今後の取り組み
(1) NETSEA(商品流通プラットフォーム事業)
GMVは前年同期比9.8%増の2,298百万円(2年間の平均成長率では25.9%増)と順調に伸ばすことができた。
会員(バイヤー)向けのクーポン施策等によるプロモーション強化が奏功した。
また、新規サプライヤーの獲得も順調であった。
一方、損益面では、先行投資により原価率が上昇し、売上総利益率は8.5%(前年同期は9.4%)に一時的に低下した。
第2四半期以降は、オフラインとのクロスセルによる流通の創出にも取り組む方針であり、アパレル合同展示会の開催※などを計画している。


※第1弾として、2022年2月18日と19日の2日間、「NETSEA」の新たな試みとなる「アパレル合同展示会」を開催した。
直接商品に触れ、その場でオンライン発注や商品撮影が可能となっており、実際の商品を見て判断したいというバイヤーのニーズや、直接顔の見える顧客と安心して取引したいというサプライヤーのニーズに対応するものとして注目される。



(2) NETSEAオークション(商品流通プラットフォーム事業)
GMVは前年同期比69.5%増の200百万円(2年間の平均成長率では96.1%増)と大きく伸びてきた。
取り扱いカテゴリを拡充したことがGMV拡大につながった。
また、「NETSEAバルクモール」の取引も開始している。
一方、損益面では、利益率の低いカテゴリの影響で売上総利益率は25%(前年同期は49%)に低下した。
第2四半期以降は、収益性を重視しながらもカテゴリ拡充を継続する方針であり、売上総利益率も改善に向かう見通しである。
また、カテゴリ拡充を図る一方で、在庫リスクを負わずに利益を安定的に積み上げることができる「委託販売スキーム」も開始した。


(3) aucfan.com(在庫価値ソリューション事業)
オークファンの課金会員数は、副業ニーズの拡大も追い風となり、増加トレンドを継続しており、課金収入売上も堅調に推移している。
第2四半期以降は、課金単価向上を目指し、「オークファンプロ」「オークファンロボ」を中心としたハイエンドのSaaS商材の販売を強化していく方針である。


3. 2022年9月期第1四半期の総括
以上から2022年9月期第1四半期を総括すると、前年同期と比べ、株式売却益(インキュベーション事業)の減少や「撤退事業」の縮小により、大幅な減収減益となったものの、重視するGMVの拡大とともに「注力事業」は順調に伸びており、戦略的には順調にスタートしたと評価できる。
特に、プロモーション強化やアパレル合同展示会の開催(オフラインとのクロスセル)、取り扱いカテゴリの拡充など様々な取り組みが、GMV拡大に向けて弾みをつけたところは注目すべきポイントと言える。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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