Reuters
発行済 2022年03月17日 10:01
[東京 17日 ロイター] - 3月のロイター企業調査では、夏の参議院選挙について、「自民・公明で過半数」を望む回答が半数近くの47%と最も多くなった。「自民党の単独過半数」は28%だった。
新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢の影響に迅速に対応できるよう安定政権を望む声が多いものの、自民単独ではなく、現在の自公連立政権の枠組みの継続を支持する企業が多いことがわかった。
調査期間は3月2日から11日。発送社数は501、回答社数は233。
岸田文雄首相にとって参院選挙は長期政権への基盤を築くために重要な選挙となる。首相は週末の自民党大会で選挙を勝ち抜くために結束を求めた。
参院選は、政権選択の選挙ではないが、与党の議席が過半数割れした場合、衆院と参院の「ねじれ」状態に陥り法案の成立や政策運営に影響がでてくる。
企業からは、「コロナからの回復の経済対策、ウクライナ情勢対応など当面は安定した政権運営が望ましい」(鉄道)といった意見が多数寄せられた。一方、「野党への期待薄」 (運輸)といった自公政権に対抗できる野党がいないとの指摘もある。
一方、「自民党単独過半数」を望む化学関連の企業からは、「コロナ対応で公明党は人気取りの政策ばかりで将来を見据えた政策になっていない」との厳しい指摘や、「公明党への配慮が必要ない議席を獲得し自民党の政策を進めて欲しい」との意見もあった。
参院選挙後の政権に取り組んで欲しい政策として、63%が「エネルギー価格上昇や物価高への対応」と回答。「成長戦略」は50%、「感染症対策」は43%、そして「外交政策」24%と続いた。調査対象企業には最大3つの政策まで回答可能とした。
窯業関連の企業からは、「まずはエネルギー価格上昇とコロナへの止血が選挙を問わず待ったなしの状況」との指摘があった。また、「国際競争力のある規制緩和、成長戦略を進めて欲しい」(化学)との要望も寄せられた。
<東証再編、期待低調>
来月の再編で発足する東京証券取引所の市場区分、プライム、スタンダード、グロースについては、「あまり評価できない」が34%となり、「高く評価できる」15%を上回った。残りの約半数は「どちらともいえない」との回答だった。
「企業価値の向上を促す市場区分となった」(卸売)と評価する声がある一方、「名称が変わるだけで大して内容は変わらない。海外投資家から見て魅力がない」(紙・パルプ)との見解も示された。
今回の市場再編は東京株式市場の魅力を向上させると思うかとの問いに「魅力は向上しない」が71%に上り、「魅力を向上させる」29%の倍以上となった。
が書いた: Reuters
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