ホットリンク Research Memo(6):2022年12月期の業績見通しの達成確度は高い

Fisco

発行済 2022年03月22日 15:46

更新済 2022年03月22日 16:00

■今後の見通し

1. 2022年12月期の業績見通し
ホットリンク (T:3680)の2022年12月期の業績見通しについては、売上高で前期比21.4%増の7,976百万円、営業利益で同54.8%減の161百万円、税引前利益で同86.8%減の140百万円、当期利益で同85.6%減の116百万円、親会社株主に帰属する当期利益は同87.0%減の99百万円となっている。
中期目標の実現に向けた積極投資により、営業利益は前期を下回るが一過性のものである。
SNSマーケティング支援事業とクロスバウンド事業が急伸長しており、コロナ禍の影響を加味し保守的に売上高予想を設定していることから、業績予想の上方修正の発表や通期計画を上振れして着地する可能性は高いと弊社は予想する。


SNSマーケティング支援事業では、コロナ禍の影響を考慮し売上高の見込みは保守的に設定している。
しかし、SNSを活用したマーケティングの需要は今後も堅調に膨らむ見通しであり、業界内で大手との取引が増えるなど順調にプレゼンスを強める同社にとっては追い風が続き、今後も売上高は好調に伸びることが予想される。
また、対応媒体を拡大すべくTikTokサービスチームを新たに設置し、同社の強みを生かした顧客企業の商品に合わせたコンサルティングサービスを提供する。
これに伴い対象顧客規模の拡大が予測されるため、受注増への体制増強を図る。
営業運用部門体制は2020年12月期比で2.2倍を見込む。
人件費の増加などに伴い、営業利益は一時的に減少するものの、中期的な売上・利益成長を視野に入れ積極的な投資を継続していくものとしている。


加えて直近ではサービスラインの拡充も進む。
同社は2021年11月、SNS起点で新商品への期待を最大化する「新商品ローンチパッケージ」を提供開始した。
同サービスでは、新商品の発売前・発売後も含めた各フェーズに応じた分析・調査を、データサイエンティストも含めたチームで実施するものとなっている。
ネットワーク分析やクラスタ分析、深いソーシャルリスニングによって、企画の切り口やターゲットを可視化し、商品がどのような切り口で語られているかを分析する。
これらの内容を踏まえ、発売に向けて期待を高める施策や、発売後の話題を持続させるための企画に落とし込んでいくサービスとなっている。
また、企画の効果を最大化させるため、マンガや動画、ライブ配信など様々なクリエイティブに対応し、インフルエンサーを起用する場合は、データ分析を軸にした同社の独自手法「データエビデンスドキャスティング」を用いて、ブランドとの親和性が高いインフルエンサー候補を洗い出し、成功確率の高いキャスティングを実現する。
広告によって消費者へ正確に届けることで、そこから発生するUGCによって質の高い認知を生みだすことで、同社の強みである「SNSビッグデータ分析」や「UGC創出ノウハウ」を最大限に生かしたプロモーション成果に高い期待が持てる商品となっている。


クロスバウンド事業に関しては、事業規模のさらなる拡大を狙い、主力サービスを転換していく。
これまでは、プロモーション支援が主事業であり、越境ECプラットフォームは副事業的なポジションであった。
2022年12月期においては、越境ECプラットフォームを大幅に拡大していく。
プロモーション支援に比べて粗利率が低いため、短期的には全体の粗利率は減少するも中期的な売上・利益成長を視野に入れ体制強化を図るとしている。


2. 好調な事業環境
国内のインターネット広告の市場規模は年率2ケタ成長が続いていると言われており、コロナ禍に伴い一段と重視する企業が増加傾向にある。
広告を出稿する企業にとっては、訴求したいターゲット層に広告を配信しやすいこと、費用対効果がデジタルに可視化できることなどから、プロモーション施策の1つとして利用する企業が急速に増えている。
なかでも今後主戦場になると見られるのがソーシャルメディア広告である。
TwitterやFacebook、YouTubeなどのソーシャルメディアがここ数年で急速に普及しており、ユーザーの1日当たり利用時間も増加している。
また、Twitterではユーザーが商品の感想などを書き込むことで自然発生的に情報が拡散しやすく、結果的に費用対効果の高いプロモーション効果が得られることなどが背景にあると見られる。


このように市場規模が膨らむなか、成長産業として大小多くのプレイヤーがSNSマーケティング業界で競争を繰り広げており、シェアの取り合いは激しい。
ただ、同社はテクノロジー企業ということで米国子会社であるEffyisの所有を背景としたSNS関連のビッグデータという資産を収集しているほか、それを分析・活用する場面でも長年のノウハウ・実績があり、結果として後に詳述するプラットフォームサービスという形態のもと大きな強みとなった。
これはシェアのさらなる拡大につながり、長期的にはシェアの安定化や価格競争での回避要因にもなると弊社は見る。
インターネット広告事業は成長産業として投資家の注目度が高く、同社は好調な実績と併せてこうした強みが評価されることで、特に注目を集めることになると弊社は予想する。


3. ブロックチェーン事業への投資
同社は2022年12月期中に、ブロックチェーン事業の開始を予定している。
投資事業から開始し、期中に新セグメントを設置する予定としている。
これに伴い、既存のブロックチェーン投資資産の評価損益は有価証券評価益ではなく営業利益として計上することを検討していると言う。
ただし評価損益は業績予想が困難なため、現時点の予算では対象外としている。
しかし、2021年12月期での621百万円の評価益や中長期的に成長していく事業への投資であることを勘案すれば、2022年12月期以降の業績の上振れ要因となると弊社は見ている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)


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