システムサポート Research Memo(1):クラウドインテグレーションを重点分野に掲げ年率2ケタ台の成長を目指す

Fisco

発行済 2022年03月24日 15:21

■要約

システムサポート (T:4396)は、業界トップクラスの技術力を強みにクラウドシステムやERP、データベースの導入・利用支援などのソリューション事業を中心に成長を続ける独立系IT企業である。
本社は石川県だが事業活動の中心は東名阪であり、米国シリコンバレーにも子会社を置いている。
ソリューション事業以外では、データセンター運営を中心としたアウトソーシング事業や、クラウド(SaaS型)サービスでの提供が中心となるプロダクト事業など、ストック型ビジネスを展開している。
なお、同社は2022年4月から導入される東証の新市場区分において、「プライム市場」に移行する。


1. 2022年6月期第2四半期累計業績の概要
2022年6月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比12.6%増の7,790百万円、営業利益で同15.6%増の587百万円と過去最高を更新し、会社計画(売上高7,742百万円、営業利益582百万円)に対しても上回って進捗した。
企業の旺盛なDX投資を背景に、主力のソリューション事業が好調に推移したのが主因だ。
なかでも高利益率の「ServiceNow※」関連の売上高が前年同期比38.7%増と高成長を持続したほか、パブリッククラウドへの移行・利用支援案件も同33.8%増と大きく伸長し、収益のけん引役となった。
アウトソーシング事業は設備増強に伴う償却負担増で若干減益となったものの、プロダクト事業は導入契約社数が順調に増加し、増収増益となった。

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※「ServiceNow」とは米ServiceNowが提供する、業務プロセスの標準化・自動化を行い、従業員・組織の生産性向上を支援するクラウドプラットフォームで、DX化ソリューションとして欧米だけでなく日本でもここ数年で急速に普及し始めている。
同社は日本企業としていち早く2015年にパートナー契約を締結し、国内ではトップクラスの導入実績を持つ。

2. 2022年6月期業績見通し
2022年6月期通期業績は売上高で前期比10.6%増の15,962百万円、営業利益で同16.0%増の1,080百万円と期初計画を据え置いた。
新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)が続いているものの、ソリューション事業を中心に受注状況に変化はなく、下期も好調な業績が続く見通しだ。
特に「ServiceNow」関連は受注能力を上回る引き合いが続いているようで、社内の人材育成や外部パートナーを拡充しながら、売上拡大を目指す。
また、パブリッククラウド関連ではMicrosoft AzureやAWSに加えて最近はGoogle Cloud案件も増加傾向にあり、技術者の採用・育成に注力している。
同様に、Oracleデータベース関連でもクラウド移行が進みつつあり、資格取得者を育成することでこうした需要を取り込んでいく方針である。


3. 成長戦略
同社では中期的に年率2ケタ台の成長を目指しており、重点分野としてクラウドインテグレーション(「ServiceNow」関連、パブリッククラウド関連)への継続的な投資を行うことで、旺盛な需要に対応し収益を拡大していく戦略である。
クラウドインテグレーション分野ではサービスの導入・利用支援を行う技術者の数や質が受注獲得の鍵を握るため、技術者のキャリア採用だけでなく社内の教育制度も充実させることが重要となってくる。
外部パートナーの比率については3割強程度を適正水準として、今後も開拓を進めていくことにしている。
クラウドサービス市場は今後も年率2ケタ台の成長が見込まれており、技術力を差別化戦略として市場の成長を取り込んでいく。
また、データセンター運用などのアウトソーシング事業は今後もストックビジネスとして安定成長を見込んでいる。
プロダクト事業については年率2ケタ成長が期待できるものの、まだ全体の収益に占める比率は低い。
このため、M&Aも視野に入れながら事業展開を図っていくことにしている。


■Key Points
・Microsoft Azure、AWS、ServiceNow、SAP、Oracle関連の案件を多く手掛けることで成長を続ける独立系IT企業
・2022年6月期第2四半期累計業績は2ケタ増収増益、過去最高を更新
・クラウド、DX関連の投資は依然旺盛で、2022年6月期業績は会社計画を達成できる見通し
・成長分野であるクラウドインテグレーション領域への継続的な投資により、年率2ケタ成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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