システムサポート Research Memo(3):ソリューション事業を主力にアウトソーシング事業、プロダクト事業を展開

Fisco

発行済 2022年03月24日 15:23

■会社概要

2. 事業内容
同社グループは、システムサポート (T:4396)と連結子会社6社で構成されており、事業セグメントとしてはソリューション事業、アウトソーシング事業、プロダクト事業の3つのセグメントで開示している。
直近5期間の事業セグメント別売上構成比の推移を見ると、ソリューション事業が約83%、アウトソーシング事業が約13%、プロダクト事業が約4%とほぼ安定して推移している。
この間の全売上高は約1.6倍に拡大しており、3つの事業セグメントがバランスよく成長してきたことになる。


また、セグメント利益率(売上総利益率)について見ると、主力のソリューション事業が20%台前半、アウトソーシング事業が30%台前半で安定して推移しており、プロダクト事業は50%台と相対的に高い利益率となっている。
このなかで、注目されるのはソリューション事業の安定性だ。
システム開発業界ではプロジェクトの延伸や不具合の発生に起因して、収益性が安定しない企業が多いなか、同社は一定水準を維持している。
これは同社が高い技術力とプロジェクト管理能力を有していることの証左といえ、同社の強みになっていると弊社では考えている。

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(1) 事業セグメント別の事業内容
a) ソリューション事業
ソリューション事業では、独立系のIT会社として顧客企業のITシステムのコンサルティング・設計・開発・運用保守を中心に、各種クラウドサービスやERPパッケージの利用・導入に係る技術支援やデータベース等のインフラ構築などを行っている。
顧客は業種・業務を問わず幅広く、かつ開発の一連の工程をワンストップで対応できることが強みとなっている。


2021年6月期の売上構成比では、ERP関連が21.6%、データベース関連(Oracleデータベース設計、構築、保守・運用など)が14.3%、パブリッククラウド関連(Microsoft Azure、AWS、Google Cloudなどのクラウドサービスの導入・利用支援)が11.5%、ServiceNow関連が9.7%、その他のITシステム関連(請負開発)が42.9%となっている。
ここ数年はクラウドサービス市場の拡大を背景に、パブリッククラウド関連とServiceNow関連の売上高が高成長を続けており、両分野の売上比率は2018年6月期の10.4%から2021年6月期は21.2%まで上昇している。


売上のうち最終顧客からの直接取引の比率は2021年6月期で67.4%となり、残りは大手SIベンダーなどを経由した二次請けとなる。
直接受注の案件については利益率が比較的高く、また、顧客との関係もより深くなることで継続受注につながりやすく、リピート率については74.4%となっている。
同社では今後も直接取引の比率を引き上げていく戦略だ。
一方、二次請けについては、金融機関向けシステムや基幹システムなど大規模プロジェクトが中心となる。
これら大規模プロジェクトに関しては、プロジェクトも長期間にわたることから、安定した受注につながりやすいといった特徴がある。


また、ソリューション事業の人員のうち8割以上はエンジニアで占められ、技術者集団となっていることが特徴と言える。
クラウド関連やデータベース関連などの案件については、Microsoft Azure、AWS、ServiceNow、Oracleなどからの顧客紹介案件が多く、それぞれの領域で認定技術者を多く抱え、顧客からの満足度の高い開発実績を持つことが、紹介案件を増やすための重要なポイントとなるためだ。
このため、同社は認定技術者の育成に注力しており、Microsoft Azure、AWS、OracleなどのAwardでも数多くの受賞歴を持つ。


b) アウトソーシング事業
アウトソーシング事業では、子会社のイーネットソリューションズが運営している国内3ヶ所のデータセンター(東京、金沢)における運営サービスが売上の7割程度を占める。
企業のプライベートクラウドのインフラ用あるいはBCP対策・データバックアップ管理用として利用されている。
また、データセンターの顧客獲得のためのフック役となる付加価値サービスとして、2006年から地震情報と連動して社員の安否確認メッセージを自動で配信する緊急通報・安否確認サービス「Safetylink24」の提供を開始したほか、2010年には電子ワークフローシステム「ActionPassport」、2017年には日本アイ・ビー・エム(株)の「IBM Watson Explorer」(AIを活用した検索・分析プラットフォーム)を月額料金制で手軽に利用できるサービス「Magic Insight」の提供を開始している。
これらの付加サービスは月額課金によるストック型ビジネスモデルとなっており、契約件数の積み上げによって収益が増加していくことになる。
なお、2021年12月時点で、データセンターの利用顧客数は約1,000社となっている。


そのほかの売上としては、ソリューション事業で開発に携わったシステムに関する顧客企業への教育やヘルプデスクの運用保守、データ分析・入力サービスなどを行っている。


c) プロダクト事業
プロダクト事業では、同社グループによるプロダクト(ソフトウェア)の開発及び販売、サービス提供を行っており、顧客ニーズに応じたカスタマイズ開発にも対応している。
販売については直販が多いが(「建て役者」についてはOEMが多い)、販売代理店も活用している。
現在の主力製品は建築業向けの「建て役者」と卸・小売業界向けを中心としたモバイル受発注システム「MOS」となり、それぞれ売上高の3割程度を占めている。
不定期にカスタム開発の大型案件を受注することもあるが、クラウド(SaaS型)サービスによる月額課金が売上の大半を占めており、契約件数の積み上げによって収益が増加するストック型ビジネスモデルとなる。


(2) グループ企業と従業員数
同社の子会社は、各社の専門領域において積極性・迅速性をもって常に顧客に新たなソリューションを提供するため、機能別・業種別に専門特化している。
また、2021年6月末の連結従業員数は前期末比87名増の1,126名となっており、事業規模の拡大とともに年率10%前後のペースで増加している。
このうち、同社単体の従業員数は全体の8割以上を占めている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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