ケアネット Research Memo(1):製薬・医療業界のDXを追い風に2025年12月期に営業利益100億円目指す

Fisco

発行済 2022年03月30日 16:11

■要約

ケアネット (T:2150)は、インターネットを活用した製薬企業向けマーケティング支援サービスとなる医薬DX事業を主力事業として展開している。
具体的には、医師・医療従事者向けに様々な医療情報を無料で提供するWebサイト「CareNet.com」を運営し、同サイトに登録した会員の属性やニーズなどを収集して、製薬企業に対して医薬品のマーケティング活動支援を行うサービス「MRPlus」を展開している。


1. 2021年12月期の業績概要
2021年12月期(2021年1月~12月)の連結業績は、売上高で前期比50.9%増の8,004百万円、営業利益で同67.7%増の2,532百万円と大幅な増収増益となった。
新型コロナウイルス感染拡大(以下、コロナ禍)を契機として、2020年後半以降、製薬企業のプロモーション活動において一気にデジタルシフトが進み、「MRPlus」の顧客企業数は70社を超え、既存顧客においてもWeb講演会などを含めて利用頻度が増加したことが高成長の要因となった。
「CareNet.com」の登録医師会員数についても、2021年12月末で193千人と順調に増加した。
なお、2021年2月に事業領域の拡大を目的に、医師・健康の専門家による総合ヘルスケア専門メディア「Doctors Me」を運営する(株)アドメディカの全株式を取得し子会社化している。


2. 2022年12月期の業績見通し
2022年12月期の連結業績は、売上高で前期比12.4%増の9,000百万円、営業利益で同2.2%増の2,589百万円を見込んでいる。
医薬DX事業においては、既存サービスの販売拡充、高付加価値サービス提供、製薬企業向けオウンドサイト支援の新規参画に注力し増収見込みとなっている。
メディカルプラットフォーム事業においては、「CarNeTV」「ケアネットDVD」をはじめとする医療コンテンツの質の向上、生涯学習コンテンツの拡充を図り、新規会員を獲得することにより増収見込みとしている。
連結グロース事業においても、グループ各社の売上が伸長することにより、引き続き増収見込みとしている。
売上原価項目を含む費用面においては、前期に引き続きスペシャリティ医薬品に適したサービス・新規事業の開発投資及び人員強化を積極的に行っていく。
さらに、最先端の技術を持ったベンチャー企業、医療機器、データサイエンス、デジタルヘルスケアを対象にした事業に対して企業買収や戦略的提携、資本参加を積極的に進め、事業規模の拡大に繋げていく方針となっている。
足元の受注状況は引き続き好調なことから、計画の実現可能性は高いと弊社では見ている。


3. 中期経営ビジョンについて
同社は2021年5月に、今後5年間の中期経営ビジョンを発表した。
主力の医薬DX事業のさらなる成長に加えて、新規成長事業としてメディカルプラットフォーム事業、ヘルスデータサイエンス事業を育成していくことで、2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指す。
2020年12月期を基準年とした5年間の年平均成長率は売上高で41%、営業利益で46%となる。
医療・製薬業界においてDXが進行するなか、飛躍的な成長を実現する好機と見て、M&Aも含めて積極的な投資を実行していく方針だ。
医薬DX事業については、製薬業界のプロモーション施策においてインターネット活用が一段と進むこと、そのなかでも需要増加が見込まれるスペシャリティ医薬品領域に注力していくことで高成長を継続していく。
また、メディカルプラットフォーム事業では、診療所向けにIT活用による診療・業務の効率化を支援するサービスを開発・育成していく。
ヘルスデータサイエンス事業では、産業医科大学ヘルスマネジメントシステム(責)や東京海上ホールディングス (T:8766)との戦略的提携を通じて、職域を軸に健康管理のプログラムを開発し、メディカルプラットフォーム事業と連携することにより競争力のある健康プラットフォームサービスを提供していく。
経営目標達成に必要となる資金調達として、2021年9月に第三者割当による新株予約権を発行し約35.5億円の資金を調達しており、スペシャリティ医薬品向けDXモデルの開発やデータサイエンス分野の強化に向けた開発投資、人材投資、M&A資金などに充当していく予定だ。


■Key Points
・医薬DX事業の高成長が続き、2021年12月期業績は大幅増収増益を達成
・2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指す
・eプロモーション市場は現在の約500億円から将来的に3,000~4,000億円に拡大する見通し

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)


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