ケアネット Research Memo(5):収益拡大により財務基盤の強化が進む

Fisco

発行済 2022年03月30日 16:15

更新済 2022年03月30日 16:30

■業績動向

2. 財務状況と経営指標
ケアネット (T:2150)の2021年12月期末の総資産は前期末比5,423百万円増加の10,742百万円となった。
主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が4,959百万円、売上債務が236百万円増加した。
また、固定資産では建物が130百万円、繰延税金資産が102百万円、差入保証金が90百万円増加し、投資有価証券が186百万円減少した。


負債合計は前期末比369百万円増加の2,604百万円となった。
主な変動要因を見ると、流動負債ではポイント引当金が147百万円、未払金が68百万円、買掛金が57百万円増加した。
また、固定負債では資産除去債務が33百万円増加した。
純資産は前期末比5,053百万円増加の8,138百万円となった。
主に変動要因に、資本剰余金が2,230百万円、資本金が1,778百万円、利益剰余金が1,526百万円の増加と、自己株式が355百万円増加したことによる株主資本の減少がある。


経営指標を見ると、収益拡大に伴う純資産の増加によって自己資本比率が前期末の57.8%から75.6%に上昇したほか、現金及び預金も70億円を超える水準にまで積み上がるなど、収益拡大に伴って財務基盤も強化されたことがうかがえる。
また、実質無借金経営と言え、財務の健全性も高いと判断される。
なお、後述するが同社は中期経営ビジョンを達成するための成長投資資金を調達するため、2021年9月に第三者割当による新株予約権を発行しており、資本増強を通じた財務基盤の強化が進んでいる。



医薬DX事業の好調持続により、2022年12月期の通期業績も増収増益を見込む
3. 2022年12月期の業績見通し
2022年12月期の連結業績は、売上高で前期比12.4%増の9,000百万円、営業利益で同2.2%増の2,589百万円、経常利益で同2.2%増の2,614百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同13.0%増の1,818百万円を見込んでいる。
コロナ禍の終息が見えず業績の見通しが立ちにくいことから、2021年12月期末時点で確度の高い数値のみを予想として開示している。
なお、既に着手している新規事業開発からの増収期待等は予想値に織り込んでいない。
足元の受注状況は引き続き好調なことから、計画の実現可能性は高いと弊社では見ている。


主力事業である医薬DX事業については、引き続き「MRPlus」、Web講演会等のeプロモーションサービスに対する需要が旺盛である。
既存サービスの販売拡充、高付加価値サービス提供、製薬企業向けオウンドサイト支援の新規参画に注力し増収を見込む。


スペシャリティ医薬領域における差別化戦略として、同社は疾患啓発・教育系サービスを強化している。
例えば、疾患啓発では臨床医学動画メディア「MEDuLiTe」のコンテンツ拡充を進めている。
「MEDuLiTe」は2016年7月より開始したサービスで、主にスペシャリティ医薬品領域をターゲットにし、専門医に対して「新発売する医薬品に関連する疾患領域を印象付け、期待感を醸成し、処方に向けての準備をしてほしい」という製薬企業のニーズに応えるプロモーション施策となる。


メディカルプラットフォーム事業では、「CarNeTV」「ケアネットDVD」をはじめとする医療コンテンツの質の向上、生涯学習コンテンツの拡充を図り、新規会員を獲得することにより売上の拡大を図っていく。
連結グロース事業については、グループ各社の売上が伸長することにより、引き続き増収見込みとしている。
キャリア支援事業に加えて、病院の事業承継支援サービスのニーズも増えつつあり、ケアネットワークスデザインの収益増を見込んでいる。
また、ここ数年診療所を中心に医療機関で後継者不在の問題が顕在化しはじめており、こうした医療機関と新規開業を希望する医師をマッチングさせるサービスで、引き続き成長が期待される。


売上原価項目を含む費用面においては、前期に引き続きスペシャリティ医薬品に適したサービス・新規事業の開発投資及び人員強化を積極的に行う。
また、最先端の技術を持ったベンチャー企業、医療機器、データサイエンス、デジタルヘルスケアを対象にした事業に対して、企業買収や戦略的提携、資本参加を積極的に進め、事業規模の拡大に繋げていくとしている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)


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