執筆:Yasin Ebrahim
インフレがピークに近づいているかどうかという議論を招くような経済指標の発表を受けて、ハイテク株が軟調な推移となり、ダウ工業株30種平均は反落、火曜日は安値で引けた。
ダウ工業株30種平均は0.26%(87ポイント)、S&P500は0.33%、ナスダックは0.30%それぞれ下落。
消費者物価指数(CPI)は3月までの12カ月間で8.5%に上昇し、エコノミスト予想の8.4%を上回ったが、投資家の注目を集めたのは食品とエネルギーを除いたコアCPIであった。
3月のコアCPIは0.3%上昇と、エコノミスト予想の0.5%上昇を下回った。これは「コア商品価格の予想以上の下落に加え、賃料の意外な低下がみられたため」モルガン・スタンレーは分析メモで述べている。
市場参加者の一部では、インフレ率が連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%に戻るにはまだ長い道のりがあると警告し、低調なコア・インフレ率に浮かれることなくFRBはインフレ対応に取り組むべきであると話す。
「今日の結果は心強いものだが、FRBが勝利を宣言するのはまだ先のことであり、インフレ対策モードを維持しなければならないだろう」とJefferiesはメモで記している。
CPIの内容を受けて、米国債利回りの上昇は一段落し、ハイテク株を含む市場の成長セクターが一時的に買われる場面もみられた。
中国がコロナ禍によるロックダウン規制を一部緩和したことで、世界的な需要不安が和らぎ、原油価格は上昇し、エネルギー株が最大の上げ幅を記録した。
Marathon Oil (NYSE:MRO)、Devon Energy (NYSE:DVN)、Diamondback Energy (NASDAQ:FANG)がエネルギー・セクターの上昇を牽引した。
シティバンクがChipotle Mexican Grill (NYSE:CMG)、Darden Restaurants (NYSE:DRI)、Texas Roadhouse (NASDAQ:TXRH)は営業活動の再開による旺盛な需要と人手不足を乗り切ることができるとの見方を示したことから、レストラン株全体が上昇し一般消費財株の下落は限定的であった。
CarMax (NYSE:KMX)は、販売台数の減少により収益が予想を下回り、強弱まちまちな四半期決算を発表して9%以上下落した。
JPMorgan (NYSE:JPM)の四半期決算を前に、米国債利回りの低下が投資家心理を悪化させ、銀行株は苦戦。
その他のニュースとしては、 PG&E (NYSE:PCG)が北カリフォルニアの2件の火災に関して5500万ドルの和解金を支払うことに同意し、3%上昇した。