ドラフト Research Memo(4):「オフィス」「商業施設」「都市開発・環境設計・その他」の3つの領域

Fisco

発行済 2022年04月18日 08:04

更新済 2022年04月18日 08:15

■事業概要

以下に、ドラフト (TYO:5070)の3つの領域について説明する。


(2) オフィス
同社の顧客先は、不動産関連企業、一般企業、オリジナルプロダクトなどの販売代理店である。
同社ブランドは、急成長する新興企業の経営者の間で知名度が高い。
直近では、企業向け事業性融資事業や個人向け投資不動産用融資事業を行っているエクシア合同会社や、QR・バーコード決済サービスを提供するPayPayカード(株)のオフィス空間を手掛けている。


同社自身も3度の移転を経て、2016年に本社オフィスを渋谷区神宮前(表参道)へ開設した。
標榜するユーザーエクスペリエンスの向上を具現化しており、本社はクライアントへのショールームを兼ねている。


a) アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)
同社の提案するオフィス空間のデザインには、ABWの設計思想が取り入れられている。
ABWは、オランダのVeldhoen+Companyにより提唱された働き方の概念で、仕事内容に合わせて自由に場所を選び、より生産性の高い働き方を実現する設計思想になる。
ABWでは、「高集中」「コワーク」「TV電話」「リチャージ」など10タイプの働き方を定義し、それぞれに最適な環境づくりを目指す。
同社のオリジナルプロダクトは、「対話」「高集中」「アイデア出し」などの働き方に対応している。


働き方改革の労働生産性向上に向けた取り組みにより、定型業務などのルーティーンワークがRPAやAIに代替され、職種や業種にかかわらずクリエイティブな作業に適したワークプレイスが求められるようになる。
加えてコロナ禍対策として3密回避が求められており、オフィス空間も従来の詰め込み型からの見直しが図られている。
同社では創業期から、クリエイティブなオフィス・空間の在り方を提案し続けており、今後は時流に対応したオフィス・空間として、より一層受け入れられていくものと予測される。


b) オリジナルプロダクトブランド「201°」
同社グループのデザインに調和しつつ、ABWといった新しい働き方に対応したオリジナルプロダクトの企画・販売を行っている。
2017年に販売を開始したブランド名は、「201°」(NIHYAKU-ICHI-DO)。
人の平均的な視野と言われる200度に1度の視点を加えることで、もっと自由な視点から物づくりをしたいという考えに基づく。
簡単に集中スペースを創り出せるブースや、カジュアルな打ち合わせに最適なミーティングベンチを含む全18種類が発売されている。
どんな空間にも馴染むベーシックな色合いと、素材の質感やディテールの繊細さが人気を集めている。


2018年に、米国を代表するデザイン雑誌『Interior Design』が主催する国際的なデザイン賞である「The Best of Year Award 2018」において、同ブランドの集中ブース「COOM」がContract Desk Categoryにおいて最優秀賞を受賞した。


c) 海外受賞
上記以外にも、ウォンテッドリーのオフィスが、米国の国際デザインアワード協会が主催する国際的なデザインアワード「IDA Design Award 2015」においてHonorable Mentionを受賞。
また、同オフィスは、米Herman Millerが主催するアジア太平洋地域の優れたオフィスを表彰する「Liveable Office Award 2016」においてスモール&ミディアムビジネス部門の最優秀賞に輝いた。
さらに、2017年には、NYで毎年開催されるデザイン分野を網羅するコンペティション「Spark Award」にて、同社が設計したディップ (TYO:2379)本社オフィスがブロンズ賞を受賞した。


(3) 商業施設
同社のプロジェクトでは、商業施設も海外Awardを受賞している。
「IDA Design Award 2015」において、「EARTH coiffure beaute藤枝店」がHonorable Mentionを受賞した。
同賞には、ウォンテッドリーオフィスと同時に、2つのプロジェクトが受賞したことになる。
2016年にドイツで開催された建築・インテリアの世界大会「World Architecture Festival / INSIDE」のリテール部門には「Zoff MART自由が丘店」が入選した。


(4) 都市開発・環境設計・その他
環境設計とは、オフィスビルディング、商業施設などのエントランス・ロビー・エレベーターホール・周辺植栽など共用スペース、または建物各階の共通デザインコンセプトの立案、設計及びデザインビルドなどの業務を指す。
環境設計の良し悪しが当該建築物のブランドイメージを左右することとなる。
都市開発は、街区開発やそれに関わる建築設計における基本コンセプトの立案、具体的デザインの制作、設計及び個別建物の内外装工事などの業務になる。


ここ数年、同社には建築デザインや複合施設の環境設計など「街のランドマークとなる建築物をデザインしてほしい」というような依頼が増えている。
東京都心は言うに及ばず、名古屋や福岡などの主要都市、スマートシティ構想の中心地である千葉県・柏の葉などの多彩なプロジェクトに関わっている。
同社では、「次世代に必要な都市とはなにか」を問い直し、デベロッパーと協業した新しい都市の価値提案をしている。


同社の先進的な取り組みが業界で認知され、不動産大手の三井不動産 (TYO:8801)、三菱地所 (TYO:8802)、東急不動産(株)(東急不動産ホールディングス (TYO:3289)の子会社)、東京建物 (TYO:8804)など大手デベロッパーとの協働に発展している。


国土交通省のプロジェクトである柏の葉スマートシティのオフィスビル「KOIL TERRACE」では、同社は環境設計を請け負った。
壁一面を本棚にしたアトリウムを一般開放し、利用者が減る土日祝日には地域の人々の憩いとなる空間をデザインしている。
常識にとらわれない、変化と成長を続ける同社ならではの発想とデザインとなる。
東京駅周辺の開発プロジェクトでは、2020年に完成した「丸の内テラス」の中心施設の企画立案から内装設計までを手掛けている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)

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