欧州が対ロ追加制裁案、原油の段階的禁輸 最大手行をSWIFT除外

Reuters

発行済 2022年05月04日 17:23

更新済 2022年05月05日 00:28

[ストラスブール 4日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は4日、欧州議会で、ウクライナ侵攻を受けた対ロシア制裁第6弾として、ロシア産原油の段階的輸入禁止、主要銀行や放送局への制裁措置を提案した。

ロシア産原油の輸入を6カ月以内に、石油製品の輸入は2022年末までに、それぞれ段階的に停止する。ロシア産原油に大きく依存するハンガリーとスロバキアについては、既存契約のもとで23年末まで輸入を認める。

フォンデアライエン委員長は「加盟国の中にはロシアの石油に大きく依存している国もあり、簡単にはいかないだろうがやらなければならない。プーチン(ロシア大統領)は、残忍な侵略行為に対して高い代償を支払わなければならない」と述べた。

ブルガリア、ハンガリー、スロバキア、チェコは原油禁輸に関する欧州委の提案に懸念を表明。外交筋によると、ギリシャも海運セクターへの影響について懸念を示しているという。

一方、デンマークとフィンランドは支持を表明。デンマークのフレデリクセン首相は「ロシアが実際に影響を感じる措置」と指摘。フィンランドのマリン首相も「EUはエネルギーに関して追加制裁を実施する必要がある」という認識を示した。

追加制裁案には、ロシア最大手の銀行スベルバンクを含む3銀行を新たに国際送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から除外する措置が盛り込まれた。残る2行の名前は公表していないが、EU当局者によると、モスクワ信用銀行とロシア農業銀行だという。

フォンデアライエン氏は「これによりロシア金融セクターの国際システムからの完全な孤立が強化される」と述べた。

ロシアRTRなどロシア国営放送3社のEUでの営業を停止する。「ケーブルテレビ、衛星、インターネット、スマートフォンなどあらゆる形のコンテンツ配信を禁止する」とした。

個人への制裁としては、ロシア軍上層部についてEUにある資産の凍結、渡航禁止措置を取る。具体名は明らかにしていない。