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霞ヶ関キャピタル Research Memo(1):2022年8月期第2四半期は売上高・利益ともに過去最高を更新

発行済 2022-05-11 15:01
更新済 2022-05-11 15:15
© Reuters.
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■要約

霞ヶ関キャピタル (TYO:3498)は、「不動産コンサルティング事業」と「自然エネルギー事業」を主軸に展開する企業である。
オフバランス化することで不動産を保有しない「戦略的コンサルティング型デベロッパー」と、ストック収入による安定収益基盤に成果報酬によるアップサイドを加えた「成果報酬志向型ファンドマネージャー」という、独自のビジネスモデルを構築している。
同社の強みは、激動期を乗り切る柔軟な戦略と、それを実現する豊富な人材や資金を有していることであると言えよう。


1. 2022年8月期第2四半期の業績概要
新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で経済活動が制限されるなか、同社の2022年8月期第2四半期の連結業績は、売上高10,583百万円(前年同期比58.9%増)、営業利益456百万円(前年同期は8百万円の利益)となり、第2四半期において過去最高の売上高・利益を達成した。
売上高については、物流施設開発用地売却(4件)や賃貸マンション売却(4件)がけん引し、大幅な増収となった。
具体的には、物流施設4物件、ホテル1物件が新たに開発フェーズに進捗し、新規で2施設のホテルが開業したほか、レジデンスファンドやヘルスケアなど新規事業を展開した。
営業利益段階では、事業規模拡大に伴い人件費が増加したほか、ヘルスケアなどの新規事業立上げに伴い人員や販管費が増加したものの、主力の物流施設開発事業が立上げ期から成長フェーズに移行したことでこれらを吸収し、大幅な増益となった。
また2021年12月には、公募増資により調達した約35億円を活用し、積極的な用地取得をさらに加速した。
以上の結果、自己資本比率は2021年3月期の東京証券取引所(以下、東証)1部不動産業平均の31.3%を大きく上回る41.1%に改善しており、高い安全性を確保していると評価できる。


2. 事業別の取り組み
同社は独自のビジネスモデルを展開するとともに、注力する事業分野を機動的に変更してきた。
具体的には、今後の企業活動や人々の生活様式の変化を見据えて、2020年6月より物流施設開発事業を立ち上げた。
2022年1月には、三菱HCキャピタル (TYO:8593)と共に合弁会社ロジフラッグ・デベロプメント(株)(以下、LFD)による物流施設開発の合弁事業を開始した(2022年8月期第2四半期末時点でLFD開発中物件は4件)。
ホテル開発事業では、FAV HOTEL2件を新規開業し、合計5件を運営中(2022年8月期第2四半期末時点)である。
その他事業では、三井物産デジタル・アセットマネジメント(株)と都心賃貸マンション16件を組み込む私募ファンドを組成したほか、2021年12月にヘルスケア事業推進部を新設した。
ヘルスケア関連施設開発事業への参入1号案件として札幌市の開発用地を取得・着工し、2号案件も既に着手済みである。
物流施設開発事業の進捗とレジデンスファンド組成によりプロジェクトパイプラインは急速に拡大し、着実なAUM(運用残高)の増加につながっていることから、今後の収益貢献が期待される。


3. 2022年8月期の業績見通し
2022年8月期の連結業績予想については、2022年4月に売上高の上方修正を発表し、売上高で22,500百万円(前期比57.4%増)、営業利益で1,850百万円(同39.2%増)を見込んでいる。
当初コンサルティング報酬による収入を想定していた案件が実際の不動産売買を伴う取引となったことに加え、レジデンスファンドの組成が前倒しで進捗しており、同社が保有する賃貸マンションの売却が早まったことにより、売上高は期初予想を4,000百万円上回る予想であるものの、販売構成の変化により利益率の変動を伴ったため、各利益は期初計画を据え置いている。
通期予想に対する進捗率は売上高で47.0%、営業利益で24.7%と利益面で進捗が鈍化しているように見えるものの、第2四半期業績が過去最高の売上高・利益を達成したこと、ファンド売却益やフィー収入は下期偏重の傾向が強いことなどから、達成の可能性は高いと弊社では見ている。
物流施設開発事業では、EC(Electronic Commerce:電子商取引)市場の拡大や冷凍冷蔵倉庫に対する高い需要に支えられ、物流施設開発は活況を呈しており、中期的にもこのトレンドは継続すると見込まれる。
加えて、パートナー企業との合弁会社設立などの協業施策等の戦略を活用することで、今後も物流関連市場領域での活動に注力する方針だ。
なお、1株当たり配当金は前期同額の20.0円以上を予定している。
株主優待制度も継続しており、株主還元にも十分に配慮していると評価できよう。
また同社は、東証の市場再編に伴いグロース市場へ移行したものの、2022年8月期の業績予想を達成すればプライム市場への昇格も視野に入ると弊社では見ている。


4. 中期経営計画
同社は、中期経営計画(2022年8月期~2026年8月期)「霞ヶ関キャピタル2.0計画(KC2.0)」を発表し、最終年度の2026年8月期に営業利益200億円(2021年8月期は13.2億円)、親会社株主に帰属する当期純利益100億円(同7.9億円)を掲げている。
新たな収益モデル「パートナーシップ型(KC2.0)」を物流施設開発事業で採用することで、2025年8月期以降に利益の飛躍的な拡大を目指す。
パートナーと合弁会社(以下、JV)を設立することで同社事業へのリスクを限定的にする一方、開発利益の66%を得られることから、収益化のタイミングは遅くなるが総額は大きくなる見込みだ。
そのほか、物流施設を中心に、アパートメントホテル及び再生可能エネルギー発電施設の3本柱でAUM(着工済・竣工済アセット)を積み上げ、安定収益の拡充を加速化させる。
意欲的な数値目標であるものの、計画策定時の収益材料に基づいた保守的な計画であり、計画期間中に新たな収益材料が現れる可能性もあることから、十分に達成可能な数値であると弊社では考える。
実際、2022年8月期第2四半期にはレジデンスファンドの組成やヘルスケア関連施設開発事業への参入など、計画発表時には織り込んでいなかった新規事業を立ち上げ、順調な進捗となっている。


■Key Points
・「戦略的コンサルティング型デベロッパー」と「成果報酬志向型ファンドマネージャー」という独自のビジネスモデルを構築し、「成長性のある事業分野」で「社会的意義のある事業」を展開
・2022年8月期第2四半期業績は売上高・利益ともに過去最高を更新。
物流施設開発用地の売却やレジデンスファンド組成に伴う賃貸マンションの売却が収益に寄与
・2022年8月期業績は、レジデンスファンドの組成が前倒しで進捗していることから売上高を上方修正。
各利益は期初予想を据え置き2ケタ増益予想だが、例年同様に保守的な印象
・中期経営計画では、新たな収益モデルによる利益成長により、2026年8月期に営業利益200億円を目指す。
レジデンスファンドの組成やヘルスケア関連施設開発事業への参入など新規事業を立ち上げ、順調な進捗

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)


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