テンセント創業者、中国経済の矛盾指摘記事を再投稿 異例の行動

Reuters

発行済 2022年05月24日 08:07

[上海 23日 ロイター] - 中国のネットサービス大手、テンセント・ホールディングス(騰訊控股)の創業者で最高経営責任者(CEO)の馬化騰(ポニー・マー)氏が前週末、中国経済が抱える矛盾を指摘した記事をソーシャルメディアに再投稿したことが注目を集めている。当局から厳しい締め付けを受けているハイテク業界の有力者として、触れるのに注意が必要な話題にあえて言及したからだ。

馬化騰氏が、テンセント傘下のメッセージアプリの微信(ウィーチャット)で行った記事の再投稿のスクリーンショットは、短文投稿サイトの微博(ウェイボ)でたちまち拡散され、馬氏の名前が検索件数ランキングで急上昇。再投稿は現状への不満を表明したとみなすコメントが多く寄せられた。

テンセントはロイターのコメント要請に応じていない。ただ事情に詳しい2人の関係者はロイターに、再投稿は馬氏本人からに間違いないと認めた。再投稿の内容自体は、同氏が許可した人しか見ることができない。

この記事は、今の中国では経済と企業が直面している重圧についてはっきり物を言う人はほとんどいないと主張。「中国の一部ネット市民は経済をこんな風に気にかけている。企業の破綻はOKだが、従業員は切るな。破綻はOKだが、超過勤務は許さない。当然ながら、宅配サービスを注文して10分到着が遅れようものなら、罵声を浴びせ、配達員を誰よりも厳しく叱責するだろう」などとつづり、馬氏はこの部分について「非常に生き生きとした描写だ」と述べた。